内容説明
薬剤師として働く空洞淵霧瑚は、自身が専門とする漢方と現代医療の狭間で苦悩していた。そんなある日、病院からの帰り道で不思議な少女に出会う。「幽世の薬師様、お迎えに上がりました」―気が付けば、そこは携帯の電波も届かぬ異界であり、さらに、謎の感染現象に苦しむ人々が溢れていた。これは病か。あるいは、怪異か。現役薬剤師が描く漢方×異世界×医療ミステリー、開幕!
著者等紹介
紺野天龍[コンノテンリュウ]
1985(昭和60)年、東京生れ。2018(平成30)年、電撃小説大賞応募作「ウィアドの戦術師」を改稿・改題した『ゼロの戦術師』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やっちゃん
84
美女に囲まれた男1人、異世界、おにいちゃん!とアニメな展開に少し萎えた。よく分からんのにモテちゃう主人公より破戒僧みたいな癖の強いおっさんが好き。設定が複雑でちょっと分かりにくかった。また漢方医のお仕事小説としては面白く興味深かった。2023/12/07
おくちゃん🌷柳緑花紅
84
❮新潮文庫の100冊2023❯現役の薬剤師が描く漢方×異世界×医療ミステリー。漢方に興味がある。医療にも。パンデミック、感染、収束、これはコロナ禍の時の作品?プラセボ、ノセボ効果等も興味深く読めました。2023/08/12
真理そら
81
現代医療の現場での漢方の扱いに納得できないものを感じていた大学病院勤務の薬剤師・空洞淵は職場からの帰宅途中にいきなり幽世(かくりよ)に転生する。現世との関係がいま一つはっきりしないがミステリー要素、怪奇もの、美少女わらわらと盛りだくさんで楽しく読んだ。状況説明がとても丁寧なのでモタつきながら読んだけれど、シリーズの始まりっぽい最後の場面から次作もあるっはずと楽しみに待つことにした。2022/06/08
あっちゃん
79
思いの外専門的な漢方のウンチクを含めて世界観がちょっと面倒くさい(笑)でも読みやすいし、キャラがわかりやすいのでアニメ化しそう!まだまだ奥が深そうなので次作も読もう( ̄ー ̄)2024/09/11
はなりん
76
代々漢方薬剤師を受け継いできた、空洞淵霧瑚。江戸時代ぐらいの世界観の幽世に連れてこられ、巫女の綺翠に助けられ、漢方の知識を活かして怪異を解決していく。女性主人公の方が読みやすいかなぁ。異世界に連れて来た月詠の意図や、伽藍堂の看板の繋がりなど、気になるので、続きも読みます。2024/01/13