出版社内容情報
これは、先輩と過ごす最後の夏の物語――。時を遡ることができたなら。誰でも夢見る力を僕は生まれつき持っていた。そんな能力もさして活用せずにひっそり過ごしてきたけれど、高校に入り初めて恋をする。相手は図書委員の純香先輩。放課後は司書室に入り浸り、僕の青春は色づいていった。けれど夏休み最後の日、先輩は凄惨な死体で発見される。先輩を救うため、僕は時を遡る――。切なくも甘いタイムリープ青春ミステリ。
内容説明
時を遡ることができたなら。誰でも夢見る力を僕は生まれつき持っていた。そんな能力もさして活用せずにひっそり過ごしてきたけれど、高校に入り初めて恋をする。相手は図書委員の純香先輩。放課後は司書室に入り浸り、僕の青春は色づいていった。けれど夏休み最後の日、先輩は凄惨な死体で発見される。先輩を救うため、僕は時を遡る―。切なくも甘いタイムリープ青春ミステリ。
著者等紹介
杉井光[スギイヒカル]
電撃小説大賞の銀賞を受賞し、2006(平成18)年電撃文庫『火目の巫女』でデビュー。ライト文芸レーベルや一般文芸誌で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
68
青春小説が好きな人やライトノベルが好きな人・ミステリーが好きな人におすすめしたい本になっている!読書友達からのおすすめ本。王道×王道(青春小説×ミステリー)の組み合わせだが飽きずに最後まで楽しむことができた!その理由としてはおそらく主人公の柚木の心理描写をしっかり描けているからだと考えた。私自身あまりライトノベル系のものは読まなかったがたまにはこういったものも読むといいかもって気づかせてくれた作品であった!2024/04/05
茉莉花
50
人気者でもなく、ひっそりと高校生活を過ごしている柚木啓太は美しい先輩・久米沢純香に心惹かれ不純な動機で図書委員と美術部に入る。 先輩に恋し、色のついたような生活を送ることになった啓太に夏休み最後の日に残酷なことが起きる。なんと、先輩が無残な死体となって見つかるのだ。 しかし、啓太は時を遡る能力を持っていた。その力を活用し、先輩の死を防ごうとするが、先輩の死には想像もしない裏があった。2022/08/14
星野流人
50
めちゃくちゃ凄かったです。生まれつき12時間だけ時を戻すことのできる能力を持った主人公が、先輩の死を止めるために何度もタイムリープする話です。なぜ先輩は何度も死ぬのか? なぜ先輩の死を止められないのか? という不思議な展開が気になり、どんどん先を読み進めてしまいました。そんな中で些細なことが未来に影響を及ぼしていたりと、驚きもありました。恋物語としては切ないラストなんですが、喪失感以上のあたたかさが感じられる素敵な作品でした。とにかく読み物としておもしろく、切なくて感動的で、終わり方も含めて最高でした2022/05/14
よっち
37
時を遡る力を持つ高校生・柚木啓太。彼が初めて恋をした先輩が夏休み最後の日に凄惨な死体で発見され、先輩を救うために時を遡るタイムリープ青春グラフィティ。能力もさして活用せずひっそりと過ごしてきた彼が、密かに恋をした図書委員の純香先輩。放課後は司書室に入り浸り、勧められるままに美術部に入部して絵を描いた啓太が直面する悲劇。遡るたびに変わる状況、止まらない彼女の死、そして明らかにされてゆくその背景が何ともほろ苦い展開でしたが、けれどその先に待っていたもうひとつの結末がなかなか効いていてとても印象的な物語でした。2022/04/25
ゆみ
29
タイムリープもの。図書室が舞台な為、本に関する話題がいっぱい出てくる。私の大好きな伊坂幸太郎さんも出てきて嬉しい。果てしない物語の話も共感で嬉しい。主人公の事もヒロインも好きになれず、ストーリー自体好きになれなかったけど、書いてる作者さんが本が好きって事がかなり伝わってきた。『僕みたいな人種は渇いた脳になんでもいいから文章を注ぐだけである程度の快楽を得られるので、ページをめくるのを止められなかった。』2025/04/15