出版社内容情報
その館では灼熱密室で謎が燃える――。欠落を抱える者たちが陶芸で身を立てる山奥の函型の館。師匠が行方不明となり、弟子たちの間で後継者をめぐる確執が生じる。諍いが決定的になったとき、窯のなかでばらばら死体が発見された。奇怪なことに、なぜか胴体だけが持ち去られていた。炎の完全犯罪は何を必要とし、何を消したのか。過去の猟奇事件と残酷な宿命が絡み、美しく哀しい罪と罰が残される。本格ミステリーの傑作。
内容説明
欠落を抱える者たちが陶芸で身を立てる山奥の函型の館。師匠が行方不明となり、弟子たちの間で後継者をめぐる確執が生じる。諍いが決定的になったとき、窯のなかでばらばら死体が発見された。奇怪なことに、なぜか胴体だけが持ち去られていた。炎の完全犯罪は何を必要とし、何を消したのか。過去の事件と残酷な宿命が絡み、美しく哀しい「罪と罰」が残される。本格ミステリーの傑作。
著者等紹介
月原渉[ツキハラワタル]
1978(昭和53)年神奈川県生れ。2010(平成22)年、『太陽が死んだ夜』で鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。個性的な作品を発表し続ける本格ミステリの新鋭。日本推理作家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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相田うえお
88
★★★☆☆22036【炎舞館の殺人 (月原 渉さん)】陶芸の師匠である夏季屋肇は「欠落を補う強さが素晴らしい作品を生む」という考えで身体の一部を失った人間ばかりを弟子にしたのだが、その師匠は病に侵されてしまう。その後、何故か行方を眩ませてしまったため、弟子達は誰が師匠の後を継ぐかでギクシャクし始める。そんな状況下で殺人が!と話は始まる...はい、面白かったですよ。舞台となる館は、陶芸用の三つの窯が館内にあることから耐火煉瓦で作られているんです。窓も無く必要最小限の出入口しかないので窯に火入れしたら灼熱!2022/04/21
雪紫
70
吊橋が落ちた館で後継者争い真っ只中な陶芸家の弟子達が次々と切断死体に。今までで一番(というか唯一?)見取図なくても大丈夫?まさかのシズカさんの過去の一端も明らかに?な、シリーズ5作目。流石に一部のあれはわかったものの、あのトリックは予想外過ぎた。本当に出来るのか?の疑問はよぎったけど、かなり驚いたし。しかし舞台や作品とあわさって犯人の動機や辿った結末にやるせなさが残る。この作者、前作から思ってたが女性同士のやり取りに気合が入ってる気がするのはわたしに百合好き特有のフィルターが掛かってるせいかな・・・?2022/06/27
うまる
53
シリーズ5作目。焦らさずサクサク展開なので、シリーズ中一番シンプルに楽しめると思います。シズカさんのくどさで離れた人カムバック、初めての人ウェルカムって感じ。 クロサーはこれぐらい死亡率高い方が面白いなぁ。しかもパーツが欠けた死体がどんどん出てくるなんて♪ 陶芸に命をかける者と命がかかってる者の心情を考えると、もっと平和に生きられたのにとせつない気持ちになるのも良かったです。終わり方も予想外でした。 2022/02/01
キナコ
48
シリーズ第5弾。探偵であるシズカの過去にも関わってくる話。身体的な障害を持つもの同士が集まる中での密室連続殺人事件。トリックとしては分かりやすいが、最後まで読んで泣けた話。守りたいものを守るための行為だったとしても、やるせなさが残る。残酷な描写も多いがもう一度読みたくなる。2023/07/20
さこぽん
47
ある陶芸家が建てた<炎舞館>で、後継者争いにより弟子たちが次々に殺されていく。 犯人よ、罪を償うんだったら初めから殺さなければよかったのに。殺されてしまった人たちがかわいそうだ。殺してバラバラにするくらいなら、自分が死ぬことを選択するけどなぁ。 しずか、静、栗花落静がぐるぐる。使用人シズカの過去が少し見られた。2022/07/24
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