内容説明
まさか、わたくしの姿がお見えになるんですの?2018年12月28日、ひとりのパリ旅行者が知らない女から声を掛けられる。女の名は、ランバル公妃。フランス革命で虐殺された、マリー・アントワネットの女官長だった。王妃への強い思いゆえ亡霊となった彼女は語り始める。王妃を愛し、王妃に愛された女人たちのことを―。世界中から嫌われた王妃を過剰な愛で綴る、究極の百合文学!
著者等紹介
吉川トリコ[ヨシカワトリコ]
1977(昭和52)年生れ。2004(平成16)年「ねむりひめ」で女による女のためのR‐18文学賞大賞・読者賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rico
115
マリー・アントワネットの女官であり友、民衆に惨殺されたランバル公夫人が幽霊となり、人生を終えた、あるいは終えかけたゆかりの人たちを訪ね、語り合うという趣向。わー、あの人もこの人も・・・!〇〇夫人としてのしあがっていく女性と、固有名詞で登場する女性(カンパン、ベルダン、ルブラン)の対比も面白い。やっぱり、自分の足で立ってる人の方が生き生きしてるような気がします。ロザリーはジャンヌの妹じゃないし、ポリニヤック夫人の娘はシャルロットでもないけど、ベルばらのワンシーンを脳内再生しながら、楽しく読みました。2021/02/27
カメ吉
103
かのマリー・アントワネット王妃の実は…?的なお話。ランバル公紀という人が幽霊となってベルサイユ宮殿で王妃の裏話(真実?)を語る。 各章ごとに主となる人物がいてその人目線で語り部として王妃とのエピソードを語り真実を紐解いていく。 作品の展開は新鮮で語りも砕けてて現代の時事ネタも満載で面白さもあったけど元々このフランスの歴史や「ベルばら」ネタにも疎い自分には難しく登場人物の名前すら覚束ない有り様で疲れてしまいました。 自分の無知のせいで残念な読後感でした。読む人が代われば面白い作品だと思います。2020/02/23
のんき
96
マリーアントワネットと関わっていた人たちが登場します。マリーアントワネット本人は出てきません。ても、人柄がわかります。そして、彼女は、相手が身分が低くても差別しません。彼女は、みんなから愛されていたんだなあ。彼女もみんなを愛していたんだと思います。贅沢ばかりしていて、市民から嫌われていたマリーアントワネットのイメージが変わりましたあ。マリーアントワネットが大好きになりましたあ!2019/11/29
やも
93
マリー・アントワネットの周りにいた淑女たちが幽霊になってマリーを語るスピンオフ。フランス国王の妻という地位だけでなく、マリーのその人となりがどれだけセンセーショナルだったか。フランス中が意識せずにはいられない魅力の持ち主。今では考えられない価値観や文化の中で、本当にみんな、こんな風に思ってたのかもね…😌幽霊だけどついこの間の記憶のように語る皆に、マリーの鮮烈さと時代の生きにくさを感じたよ。私もマリーに夢中になった1人だよ🌹オーヴォワー!★42022/08/27
ミュポトワ@猫mode
87
この本は、メリーアントワネットと関係の深かった人物の革命前後の様子やその後について、ランバル公妃が話を聞いた感じで記載されたものです。今回の話は結構重めで、あまり笑えなかったです。あと、マリー・テレーズの部分は長すぎて、途中すっぽ抜けてしまった…この本の主人公みたいなものですからしょうがないのでしょうけどねぇ…この本、全部頭に入れるにはもう一回、読み直さなきゃいけないと思うんですが…重たすぎるんだよなぁ…しばらくたって、気分が落ち着いたら考えることにします。すぐの再読は無理…気合と気分がもたねぇ…2020/08/05