内容説明
楽しい遊園地デートになるはずだった杏那と優。しかし二人は突如別々の世界に引き裂かれた。杏那は異世界を魔王から救う役目を担わされ、残された優は遊園地で起きた密室殺人事件の謎を解く羽目に…。現実と夢の国、二つの密室、パズルと魔法の謎を解き、二人は再会できるのか?紙とペンを用意して読んでも必ず欺される、異色の新感覚本格ミステリ。
著者等紹介
七河迦南[ナナカワカナン]
2008(平成20)年『七つの海を照らす星』で鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2010年に上梓した『アルバトロスは羽ばたかない』は日本推理作家協会賞候補となったほか、「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」の国内部門ベストテンにランクインした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
51
キャラクター造形がうまくいっていないのと、ロジックで説明しきれていないフィーリングの部分で疑問が残った。2019/06/11
カノコ
46
遊園地にデートに来た杏那と優は、それぞれ思わぬ事件に巻き込まれる。ファンタジー世界の杏那、現実世界の優の二つのパートが交互に語られ、それがやがて重なり合い…という構成。あちこちに散りばめられたパズルや謎解きにわくわくしないわけではなかったのだが、どうにも入り込めず。フェアとアンフェアのギリギリを攻める七河さんらしいギミックや伏線が盛りだくさんだが、実際これはギリギリアンフェアではなかろうか。しかし、それを声高に非難したいのではなく、おそらくその「アンフェア」を楽しむべき作品なのだろう。2020/05/09
hnzwd
36
夢の国と言われるテーマパークを思わせる舞台に、主人公が異世界に迷い込み謎をめぐりながら大活躍という。。現実でも事件が起こっているので、これをどう着地させるのか、と思っていましたが、そこは流石の実力でした。まあ、好きな作家の贔屓目で多少の強引さには目をつぶってしまうのですが。2019/09/18
いちろく
34
文庫版にて再読。今回は物語の流れを中心に。随所に著者らしさを感じるけれど、七河迦南さんの名前を意識せず、これまで刊行された作品と比較せず、単品の作品として楽しんだ方が無難。単行本版との比較まではしていないけれど、色々と解っている状況で読むので、ファンタジーの世界観に由来する状況説明の多さや、ある種の難解さで困惑した初読時よりは楽しめた。あわせて、数年前ミステリ関係の年末ランキング本で超絶技巧系の本が高評価されていた事も思い出した。2019/05/29
ユメ
32
古今東西のファンタジーをモチーフとし、オリジナルキャラクターによって世界観を統一したテーマパーク〈ハッピーファンタジア〉。この夢と魔法の国を訪れた杏那と優のカップルは、杏那だけがキャラクターたちのいる世界に飛ばされてしまい、優は現実世界に残される。そして、2人は別々の世界で密室事件を目撃することになるのだった。異世界と現実で同時並行するミステリの斬新さに、ただただ感嘆する。おまけに、巻末に記されたサインにまた震えが……七河さんは、いったいどこまで計算して小説を書いているのだろう。今後も目が離せない。2019/06/13
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- 和書
- どうかしてました