内容説明
これまで恋愛と無縁に生きてきた、遺伝子研究者の柴山と松永。ある日、柴山は女子学生と恋に落ち、それを知った松永は、研究室から失踪した。松永は「愛は遺伝子が決定する」という自らの理論を証明すべく、柴山で人体実験を企む。一方、自らもまた、結ばれる確率が0%と判定された女性に、どうしようもなく心惹かれて…。愛と理論の狭間で苦悶する、純真でせつない“理系”恋愛小説。
著者等紹介
松尾佑一[マツオユウイチ]
1979(昭和54)年、大阪府生れ。大阪大学大学院工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。国立大学で研究教育職に従事。専門は生物学、遺伝子工学。2009(平成21)年、『鳩とクラウジウスの原理』で野性時代フロンティア文学賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とっここん
7
理系的脳みそが全くないから、理解できるか不安でしたが設定はわかりやすくのんびり楽しめました。始まり方からしてシリアスめな恋愛モノかなと思いきや、中盤からあっさりしていてちょっと残念。そんな簡単にひっつくものか?と心の中でツッコミ。でも面白かったので作者の他の作品も探してみようかな。2018/08/03
HANA
6
遺伝子が全てを決めるという論文を信じてコンプレックスを抱える科学者が進めていく研究が軸になる話。正直、場面が切り替わりすぎてイマイチ話が入ってこないというか。設定は面白かった。2017/12/11
チェス
4
なんか私の読解力のなさが、、ついていけなかった。2021/03/28
角田和也
3
かなりざっくりいうと、童貞サイエンティストの暴走物語。 タイトル通り遺伝子を取り扱っているんですが、(真偽はわかりませんが)素人にも理解できる程度の説明で話に説得力を持たせています。 通して言えばラブストーリーですがちょっぴりハラハラしてサスペンスな面もあり、楽しめました。 アニメ化すると面白いのではないかと思います。2017/12/30
Yappy!
1
理系だからこそ遺伝子から導き出される数字に抗えない・・・でも遺伝子が引き起こす悲劇は遺伝子が素敵な結末へと。全てが遺伝子で分かるのならば、今頃星進一の書いた世界になっているわけで、でもそうではないのはあくまで確率論であることと、人と人の関係は全てが固有の事象であるということ、他人の起こしてきた結果で新しい事象の結果は導けない。 遺伝子でわかるんだったらある意味苦労しないけれど、分からないからもやもやとドキドキがあるわけで。後半の展開がなかなかの急転回! ちなみにサイン本にて読了。著者は同い年だぁ。2019/01/24