内容説明
四月、俺の未来は薔薇色に見えた。浪人覚悟で受験した大学に合格、そこには面倒見のいい先輩と、あわよくば恋人がいて、大好きな漫画の話もできる、充実の日々があるはずだった。だが、漫画サークル「パラディーゾ」に入った俺を待っていたのは、奇人・変人の先輩たちとの日々。違う。待ってくれ。それに俺が気になるあの女の子は…。漫画への熱き想いを描く、切なく甘い青春小説。
著者等紹介
坂上秋成［サカガミシュウセイ］
１９８４（昭和５９）年、東京生れ。早稲田大学法学部卒業。ミニコミ誌「ＢＬＡＣＫ ＰＡＳＴ」「ビジュアルノベルの星霜圏」で責任編集を務める（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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おかだ
57
すごいなぁ、活字で読む漫画って感じ。大学に入学したてでソワソワうきうきしてる小川くん、漫画が死ぬほど大好きなので漫研サークルに入会希望なんだけど、そのサークルの先輩方が物凄い猛者揃いで。漫画×青春ノベル。もうね、先輩方エグいくらいキャラ立ってて、自分の想像力が追いつかない。視覚的なヒントが欲しくて、これが漫画じゃないのが残念だなって思った。心の通う仲間たちと傷を抱えながら時にはぶつかりながらも一歩ずつ前へ進む、そこにほんのり恋愛スパイス。王道で気持ち良いストーリーだった。漫画が好きな人は絶対楽しめるよ。2019/08/12
よっち
41
浪人覚悟で受験した大学に合格した小川卓巳が、加入した奇人変人揃いの漫画サークルで運命的な出会いを果たした新入生・天原と再会する青春小説。将来もマンガに関わっていきたいと考える卓巳が出会った漫画家を目指す訳ありな先輩たち。彼らが作り出す濃い空間にどんどん溶け込んでゆく天原と卓巳。触発されてマンガを書き始めたり天原と二人で出かけたり、いい雰囲気になりかけたのに全てがぶち壊される急展開にはぐいぐい読ませるものがあって、追いかけたはずなのになぜか追い込まれた卓巳が本音をぶちまける熱い展開はとても面白かったです。 2017/06/28
はるき
39
大学の漫画サークルで巻き起こる青春群像劇。いやはや、馬鹿馬鹿しくて暑苦しくて、オタク度高くてもう最高。キラキラはない、瑞々しさもない。でも、熱くて良い。2017/09/04
山本真一郎
30
読了。著者初読み。何というか、これでもかという位の青春小説だった。読んでいて痛々しかったり恥ずかしかったりしたものの、読み易さのお陰で最後まで読めた気がする。小説や漫画を読むのが好きで、その世界に入り浸る事にこの上ない幸せを感じるタイプの人にとっては共感出来る描写がとても多い作品でもあるだろう。作品内に幾つも著名漫画のネタが登場するのだが、それらについて読んだ事がないものはあっても、知らないものが殆どなかったのは、それだけ自分も二次元に足を突っ込んでいるのだろうなと自覚したのは苦笑いしたくなる収穫だった。2017/10/05
瀧ながれ
30
大学の漫研に集まるマンガ好きたちの青春のほとばしる情熱！ってハナシ。マンガ好きだけど、好きなもんについては確かによくしゃべるけど、わたしここまで振り切って好きなものって、あるかなあ。マンガが好きだから、マンガについて語りたいから、いっぺん自分で書いてみるわー！てのも、わたしの発想になくて驚いた。自分がそこにいられなかっただけで、すごくおもしろかったのは確かです。冒頭の入部試験、しばらく真面目に考えてしまった。いろいろ語りたい問があったので、時間をください。…出てくるマンガ、読んでないやつばっかだったけど。2017/09/03
