感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
35
吉井勇の短歌をまとめて読むのは、これが初めでした。生まれながらの歌人と感じました。自分の感情を率直かつ伸びやかに表現する家風で、読んでいて共感できる歌が多かったです。生活が苦しい中で書かれた短歌には強靭な意志が感じられて、強く勇気づけられました。良いと思った短歌を一つご紹介。「生きむ生きむあくまで生きむかく思ひ今朝も目覚めぬ病ひの床に」「生きむ」という言葉が三つ重ねて、生き続ける事への強い意志を表現した忘れがたい短歌です。2025/02/05
双海(ふたみ)
23
再読。毎年1回読んでいるみたい。近代歌人のなかで山川登美子に次いで好きな歌人です。今回は気に入ったうた52首を選出し、メモ用紙に筆写しました。帰省するときに持って帰ろうと思って。「とこしへに別るる君にあらねども 別れたる夜の氷雨をおもふ」 「雨降りて祇園の土をむらさきに 染むるも春の名残りなるかな」2015/12/14
双海(ふたみ)
22
好きな歌の頭に鉛筆で◎をつけました。これから色紙やら和紙やらに筆写していこう。2014/11/28
月音
4
鴨川の水面に紅燈の光が揺れ、路地からは糸竹の音が流れくる祇園の夜のさざめきをつややかに歌った吉井勇。その歌風から並び立つ与謝野晶子は自らの思いを率直に誇りかに歌い、勇はしめやかに抑制されたものを感じる。つれない女性への恨み、嘆きや、酒への陶酔を歌って自堕落に流れず品格を保っているのは生来の気質からか、華族としての矜持からか。中期は作風・テーマの変化に乏しいが、晩年の閑居のころは枯淡の味わいが出て初期とは違う良さがある。⇒続2024/10/26
双海(ふたみ)
1
「秋の日の寂しき時はただひとり停車場に往き人をながむる」2013/09/19




