内容説明
荒波のなか蝦夷地に向かう舟一艘―文化年間、歴史は静かに動き始めた。謎の武士・野比秀磨は、蝦夷に上陸し、測量家・間宮林蔵に出会う。北の大地の巨大利権を巡る、幕府、朝廷、豪商たち、そして雄藩・水戸と薩摩をも巻き込んだ密謀は成功するのか?鍵を握るのは、蝦夷地を知り尽くしたこの男…。新しい国のかたちを模索する男たちの激情と策略のうねりを活写する、幕末大河巨編。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947(昭和22)年、佐賀県生れ。中央大学卒業後、’71年に『明るい街へ』でデビュー。’81年の『弔鐘はるかなり』で脚光を浴び、翌年『眠りなき夜』で日本冒険小説協会大賞、吉川英治文学新人賞受賞。’84年に『檻』で日本冒険小説協会大賞、『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。’88年から歴史小説にも挑み、’91(平成3)年の『破軍の星』で柴田錬三郎賞受賞
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感想・レビュー
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カツ
4
初北方作品。ほぼ会話文で話が進むのでサクサクと読み易かった。林蔵はクールでストイックでハードボイルドの主人公の様でなかなかかっこ良い。話が間延びした感があるが、それが大河小説なんだろうな。北方の地図を付けてもらえばもっと分かり易かったのに残念。。2019/06/11
blue-brass
1
今は上下2巻だが手元のものは厚さ3cmの841頁(含解説)。読み切るには忍耐だった。まず冒頭に登場する「野比」なる人物がずーっとハテナ。帯を見たら「謎の武士」とあって、作品への忖度かミスリードじゃないのかそれ。その「野比」をP168ではいきなり「秀磨」を主語としてくるから読者はここで「あんた誰?」状態になる。煙に巻くのも大概にしてよ、とマイナスなことを書いてしまったのは北方謙三を初めて読むからか。自分の読み方に問題があるからだろうけど。奇妙なタイトル「林蔵の貌」の意味は700ページを過ぎた辺りで分かる。2024/07/26
sasa✾
1
★★★2017/03/03
かずお
0
人間関係の説明が少なくて、あまり入り込めなかったかな。2015/07/24
Sato
0
著者の書く歴史もの、史実をいろいろな解釈で捉えて脚色したものばかりを読んでます。熱い漢(おとこ)が沢山出てきて好きなのですが、読む順番を間違えたみたいで、楊令伝を読みきってから読むと時代と国は違うがおんなじに感じてしまった。2014/04/30