内容説明
「死ねば、薬草の肥しだ」。日向景一郎は、向島の薬草園で焼物に心を注いでいた。幼き森之助、伯父格の小関鉄馬との静かな暮らし。それがある日、破られる。陶酔と富をもたらす禁制品阿芙蓉が人々の魔性を呼び起こしたのだ。陸続と襲来する敵。男と女の愛憎。北の譜代藩の策謀。そして、剣士・榊原征四郎との対決が迫り来る。景一郎、鉄馬の振るう豪刀の向こうに明日は見えるのか―。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947(昭和22)年、佐賀県生れ。中央大学卒業後、’70年に『明るい街へ』でデビュー。’81年の『弔鐘はるかなり』で脚光を浴び、’83年『眠りなき夜』で日本冒険小説協会大賞、吉川英治文学新人賞受賞。’84年に『檻』で日本冒険小説協会大賞、’85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。’89年から歴史小説にも挑み、’91(平成3)年『破軍の星』で柴田錬三郎賞受賞。2006年、『水滸伝』全19巻で司馬遼太郎賞を受賞。’07年、『独り群せず』で舟橋聖一文学賞を受賞。’10年、日本ミステリー文学大賞受賞。’11年、『楊令伝』全15巻で毎日出版文化賞を受賞。’13年、紫綬褒章受章。’16年、『大水滸伝』シリーズ全51巻で菊池寛賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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眠る山猫屋
36
再読。冒頭から別人かと思うほど、景一郎は普通に暮らしている。鉄馬を叔父、森之助を弟として薬問屋に身を寄せて。でも一皮剥けば、やはり〝鬼〟。狂気じみた魔剣は殺人に対して禁忌を持たず平等だ。グズグズになってしまった鉄馬や、憧れの兄に追いつきたい森之助らが人間臭くあるのに比して、景一郎はもはや別次元の生き物。最後には普通に老中に喧嘩売ってるしね。この家族の行く末が気になった再読です。2019/05/30
Nobuko
6
再読 1巻よりは落ち着いて読めました 相変わらず強い強い!!さて未読の3巻へ2021/09/29
kinghaya
5
★ 物語の骨子を作った巻だと思う。周りの登場人物も個性的な。2019/06/22
たくや
3
狂ったけものではすまされないレベル 32人の手練(内三人は鉄砲使い)に襲われたら 怒り狂ったナウマンゾウだって尻尾まいて逃げ出すレベルだろ 鉄馬はちょっと残念だった 俺の知ってる鉄馬はもっとダンディーだ2010/12/16
あさえ
2
一巻は章ごとに色んな場所に行ってたけど、今回は一ヶ所に落ち着いてやっと始まった感が。景一郎は相変わらず偏屈だけど、それを取り囲む人々の人間模様がなかなか楽しい。そしてやはり北方さんは飽きない2019/07/22