新潮文庫
武王の門〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 460p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101464053
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

懐良は肥後の名将・菊池武光と結び、悲願の九州統一を果たした。そして大宰府を征西府の拠点とし、朝鮮半島の高麗や中国大陸の明と接触することで、全く新しい独立国家の建設を夢見る。しかし、足利幕府から九州探題に任ぜられた今川了俊は、懐良の野望を打ち崩すべく、執拗に軍を進めた―。二十数年にわたる男の夢と友情のドラマを、ダイナミックに描いた一大叙事詩の完結!

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

眠る山猫屋

52
島津、少弐そして今川。様々な足利幕府からの敵は、懐良と武光にとっては侵略者。そう、全ては九州独立の為に。夢の行方。征西将軍・懐良親王の夢は朋友菊池武光の死と共に潰えたのか。最後の今川との決戦は本当に熱い。それが勝つ為の戦いに思えないからこそ、熱い。後の作品『林蔵の貌』で北海道独立を夢みた北方先生。南北そして大陸。更には海洋王国の夢。そう、この物語には続編があり、北方歴史観は実は微妙に繋がっていたりする。懐良の夢は終わってはいなかった。2020/03/06

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

48
北方謙三の南北朝時代もの。幕府と朝廷との対立という構図の中、後醍醐天皇の皇子である懐良親王と共に夢を追いかけた男たちとの友情の物語。歴史の真実からして、上巻を読み終えた時点でその夢がかなうことはないんだろうなと残酷にも思わざるをえませんでしたが、己のためにではなく、そこに生きる民たちのためにかけた夢を追いかけ、20年以上にもわたる一つの時代を駆け抜けた男たちの熱い生き様が印象的な作品でした♪2016/07/31

はらぺこ

32
やっぱり今まで読んだ他の北方太平記の方が熱かった気がする。もっと友情とか親子とか合戦とか怒涛の様に畳み掛けて欲しかった。もっとクサイぐらいが自分は好き。 征西府側は懐良と菊池武光、幕府側は今川了俊の三者の視点から書かれてるので状況は分かり易い気がするけど、これが熱の冷める原因かも知れない。 賀々丸の今後が楽しみ。続編に登場するんかなぁ?2011/03/21

ピップ

26
南北朝時代、九州平定のため派遣された懐良親王と菊池氏の話。おもしろかった。室町幕府ができてからも、こんなに動乱が起こっていたとは。菊池氏がすごいという話は聞いていたけれど、創作が多少あるとはいえ、これ程とは思っていなかったのでなんかうれしい。もっとPRすればいいのにとか思ったけど、小説読まないと気付けないか。でも菊池温泉の泉質は熊本の中では一番だと思ってます^^2023/07/10

rokubrain

21
ほとんど知らない世界だったが、海に夢を乗せて歴史を見る新たな視点が加わった。 また、本作品は北方謙三の歴史小説の第一作に当たるそうだが、 ハードボイルド作家がどうして歴史小説へという展開になったか 不思議だったが、 当作品を読んで納得できるものがあった。 従来の歴史小説にありがちな「説話調」の作品群から一線を画し、行動的な文体で主人公の男の生き様をグイグイ押してくるのが新鮮(89年の作品だけど)。 ”行動精神”。これですね!2021/01/28

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