内容説明
デジタル社会は謎と笑いに満ちている。昼下がり、アップルの社員らしき若い男たちを尾行してみたり、サポートセンターに電話して、いつの間にか係の女性相手に「人生」を語ってしまったり…。Mac、iPodから秋葉原、インターネット、メールまで、デジタルとの格闘から生まれた抱腹絶倒の全49編。パソコンがわからなくても面白い、超脱力エッセイ集。
目次
1(「幻想」と「現実」のはざま;愛マックだけはやめてくれ ほか)
2(知りたくはなかった;ストレス発散 ほか)
3(Apple Store,Ginza;季節の憂欝 ほか)
4(ナンバーポータビリティ;年賀状なんてなければいい ほか)
著者等紹介
宮沢章夫[ミヤザワアキオ]
1956(昭和31)年、静岡県生れ。劇作家・演出家・作家。’80年代半ばから竹中直人、いとうせいこうらとのユニット「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」の作・演出を担当し、小劇場界に衝撃を与えた。’88年、仕事を離れ、マダガスカルで数カ月生活。その後、劇団「遊園地再生事業団」を結成し、’92(平成4)年上演の戯曲『ヒネミ』で岸田國士戯曲賞を受賞した。早稲田大学客員教授も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
30
☆☆☆☆☆ パソコン関連の雑誌の連載ゆえに、パソコン周辺に関するエッセイとして書き始めるのだが、いつの間にか脱線し、いつもの脱力エッセイになっているのが笑える。しかもそのはぐれ方はどんどんエスカレートしていくのがたまらない。特に笑ったのは、「納品まで2~3週間かかる理由がくどくどしい」「俺、板前なんで、何か」「パワーブックの下に敷くのにちょうど良い厚み」「便秘に苦しむ人を快便にさせる出し系」「紙袋にギターを入れる」「パワーブックを飛行機で使おうとする不器用な人」のエピソードたち。2017/10/21
saga
28
タイトルからしてMacユーザで、どれだけApple愛に満ちた内容になるかと思いきや、時にはコンピュータに何の関係もないような話があったりして、「癒し系」という言葉を心から憎んでいるらしく、「脱力系」も著者の意に沿わないかも知れないが、相変わらず脱力系の著者だ。私はMac Fan派だったので、MAC POWERを読むことはなかったが、MAC POWERもなかなかやるではなか。2014/09/17
阿部義彦
19
NHKの戦後サブカルチャー史講座では講師も務めた宮沢章夫さんのエッセイ。岸本佐知子さんと雰囲気が似てどうでもいいことにがぶり寄ってイチャモンつけて妄想を逞しくしております。今回はネット周りの話題が多いです。SNSのミクシィを「何をどう楽しんだらよいのかが分からない」「いま食べているもの」それを教えてもらって私は何をすれば良いのだ。「焼肉だね」こんな不毛なメールのやり取りがあるのだろうか?にはやられました。(私もミクシィは合わなくて辞めた経験あり。)そうか、アップルのサポートセンターは極めて丁寧なのか。2016/03/19
ぜんこう
9
題名のアップル(Apple)やMacに関係なく、パソコンを使ったことのある人(このレビュー読んでる人全員?)には楽しめる本だと思います。もちろん宮沢さんですから、PCとは全く関係ない方向に話が向かったりしますが、それがいいんです(笑) サポートセンターに電話かけたくなりました(笑)2013/12/29
pon
8
面白かったー!Macの雑誌で連載されていたエッセイをまとめた一冊。窓ユーザの私でも大丈夫かな?と思いましたが、まったくの杞憂でした。今から8〜9年ぐらい前の話なので、懐かしさもあり、そこも含めて面白いです。たまに、PCとかMacとかまっったく関係ない話も混ざっていて、いかにも宮沢さんらしい感じです。宮沢さんの、途中で「こんな○○は嫌だ」みたいに、色んな突拍子もない例を次々挙げていく文章の書き方が好きです。所々、声を出して笑ってしまい、あー今家で良かった!と何度も思いました(笑)2014/07/17