新潮文庫<br> 通訳者たちの見た戦後史―月面着陸から大学入試まで

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新潮文庫
通訳者たちの見た戦後史―月面着陸から大学入試まで

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  • サイズ 文庫判/ページ数 400p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101459226
  • NDC分類 801.7
  • Cコード C0195

出版社内容情報

通訳者たちの記録としてとくにおもしろいのはアポロの月面着陸だ。月からの中継は当時の技術的な限界もあり、音声しかなかった。これをテレビ中継しようとした局は「絵」が欲しい。そこで音声の中継を日本語に訳してくれる通訳を前面に押し出すことで「絵」に代えようとしたという。これが黒子役だった同時通訳を、一気に花形職業に押し出す大きなきっかけとなる。と同時にこの経験は鳥飼自身にとっても大きな一歩となる。――阿部公彦(東京大学教授)による解説より

内容説明

日本人は開国とともにやってきた英語と、どう向き合ってきたのか。アポロ月面着陸の生中継で同時通訳者として華々しくデビューし、NHKの英会話番組に長年出演する著者が、自らの来し方と先人たちの軌跡を辿り、戦後秘史をひもとく。進駐軍との交流から英語教育論争まで、英語との付き合いは日本現代史そのものだった!第一人者による体験的英語論の必読書。

目次

第1章 英語との出会い
第2章 一九六〇年代とアメリカ
第3章 アポロ宇宙中継と大阪万博、そして沖縄返還
第4章 偶然の積み重ね―通訳から大学英語教育という世界へ
第5章 「通訳者」という存在
第6章 教育そして教師というもの
第7章 生涯学習を実践する
第8章 メディア英語講座と私
第9章 言葉へのこだわり
第10章 思い込みからの脱却

著者等紹介

鳥飼玖美子[トリカイクミコ]
東京都生れ。立教大学名誉教授。上智大学外国語学部卒業、コロンビア大学大学院修士課程修了、サウサンプトン大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。大学在学中から国際会議などで同時通訳者として活躍した後、大学教員に。長年NHKの英語番組に出演している。専門は英語教育学、通訳翻訳学、異文化コミュニケーション学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雲をみるひと

27
同時通訳がテーマ。同時通訳の成り立ち、著名な通訳のプロフィール、通訳に必要な資質、通訳が活躍した著名事件のエピソード、今後の英語教育といった幅広いテーマが、作者自身の幼少期からのエピソードも交えながら展開されている。全般的に読ませる工夫がされていて好感が持てる。同時通訳者でも幼少期から専門的教育を受けていないことがわかることはその道を目指す人には勇気になるのかもしれない。2021/07/20

さきん

26
著者のことは、英語の幼児教育の危険性を説くどこかの雑誌の記事から印象に残っていた。元同時通訳で、当時の話を本書で初めて細かく知った。戦後黎明期の同時通訳者は、米軍との果し合い、教え合いの中で成長していったようだ。アポロ実況を通して、同時通訳者は日の目を見るようになったそうだ。2021/07/22

bapaksejahtera

14
2013年の「戦後史の中の英語と私」に加筆出版された物とある。全体として戦後(同時)通訳史と言うより、同時通訳者、英語教育者としての自分史の色合いが強いので、単行本の書題の方が適切と感じた。但し本書冒頭では英語と形態の違う日本語との間では不可能と思われていた同時通訳が先人の手で成立していく歴史が、画期となった月面着陸時の通訳西山千やその後の村松増美や國弘正雄等からの聞書で描かれていて判り易い。又沖縄返還交渉時の「善処する」翻訳を巡る錯綜など時事的な話題もある。我が国英語教育へ評価や見解等首肯する所も多い。2022/11/05

kan

14
発する言葉にこだわり大切にし、自らlifelong learnerとして学び続ける鳥飼先生の生き方と英語学習の道のりに感服。首がもげるほど頷いた箇所が多くあった。外国語学習には強い動機付けが必要なこと、欧米のESL環境と日本のEFL環境は異なること、コミュニケーション重視の旗印による文法軽視の弊害は特にそうだ。楽に素早く外国語に習熟する魔法はない。ageismに関することもそう。私も40歳で大学院留学したが、年齢など誰からも聞かれなかった。英語・ジェンダー・教育の三本柱から成る読み応え十分な好著。2021/10/21

慧の本箱

11
鳥飼玖美子氏の著作はお初です。興味深く手にして特に第9章「言葉のこだわり」、大10章「思い込みからの脱却」は印象に残るものでした。そしてエピローグも・・・2022/03/06

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