出版社内容情報
通訳者たちの記録としてとくにおもしろいのはアポロの月面着陸だ。月からの中継は当時の技術的な限界もあり、音声しかなかった。これをテレビ中継しようとした局は「絵」が欲しい。そこで音声の中継を日本語に訳してくれる通訳を前面に押し出すことで「絵」に代えようとしたという。これが黒子役だった同時通訳を、一気に花形職業に押し出す大きなきっかけとなる。と同時にこの経験は鳥飼自身にとっても大きな一歩となる。――阿部公彦(東京大学教授)による解説より
内容説明
日本人は開国とともにやってきた英語と、どう向き合ってきたのか。アポロ月面着陸の生中継で同時通訳者として華々しくデビューし、NHKの英会話番組に長年出演する著者が、自らの来し方と先人たちの軌跡を辿り、戦後秘史をひもとく。進駐軍との交流から英語教育論争まで、英語との付き合いは日本現代史そのものだった!第一人者による体験的英語論の必読書。
目次
第1章 英語との出会い
第2章 一九六〇年代とアメリカ
第3章 アポロ宇宙中継と大阪万博、そして沖縄返還
第4章 偶然の積み重ね―通訳から大学英語教育という世界へ
第5章 「通訳者」という存在
第6章 教育そして教師というもの
第7章 生涯学習を実践する
第8章 メディア英語講座と私
第9章 言葉へのこだわり
第10章 思い込みからの脱却
著者等紹介
鳥飼玖美子[トリカイクミコ]
東京都生れ。立教大学名誉教授。上智大学外国語学部卒業、コロンビア大学大学院修士課程修了、サウサンプトン大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。大学在学中から国際会議などで同時通訳者として活躍した後、大学教員に。長年NHKの英語番組に出演している。専門は英語教育学、通訳翻訳学、異文化コミュニケーション学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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