出版社内容情報
野宮万浬、ペインクリニックで患者の痛みと日々向き合う優秀な医師。彼女には、秘密があった。心に一切痛みを感じないのだ。一方、数々の国際プロジェクトを手掛けてきた貴井森悟は、爆弾テロに遭って痛覚と情熱を失い、無為に生きていた。謎めいた老人、曾根雅雄の導きにより、ふたりは運命の邂逅を果たす──。人間の根源を抉るサスペンスにして、最もスリリングな医学エンターテインメント。
内容説明
野宮万浬、ペインクリニックで患者の痛みと日々向き合う優秀な医師。彼女には、秘密があった。心に一切痛みを感じないのだ。一方、数々の国際プロジェクトを手掛けてきた貴井森悟は、爆弾テロに遭って痛覚と情熱を失い、無為に生きていた。謎めいた老人、曾根雅雄の導きにより、ふたりは運命の邂逅を果たす―。人間の根源を抉るサスペンスにして、最もスリリングな医学エンターテインメント。
著者等紹介
天童荒太[テンドウアラタ]
1960(昭和35)年、愛媛県生れ。’86年、「白の家族」で野性時代新人文学賞を受賞。映画の原作、脚本を手がけたのち、’93(平成5)年、『孤独の歌声』が日本推理サスペンス大賞優秀作となる。’96年、『家族狩り』で山本周五郎賞を受賞。2000年、『永遠の仔』で日本推理作家協会賞を受賞。’09年、『悼む人』で直木賞を受賞。’13年、『歓喜の仔』で毎日出版文化賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
35
ペインクリニック勤務する優秀な女医は心に痛みを感じないというのが興味深かったです。患者の痛みと向き合うのに、自らは痛みを感じない。心の痛みは人間の根源でもあるはずなのに。下巻も読みます。2024/10/31
うさうさ
14
ペインクリニックに勤務する優秀な女医は、痛みに異常な関心を持ちつつも、自身は心に痛みを感じないという秘密がある。 患者からテロで痛覚を失った男性を紹介されて巡り合う。 興味深く読んだのだけど、エロはあんなにたくさんいるかな? まだ何が何だか分からない、下巻へ。2023/08/12
湊-みなと-
5
あらすじにサスペンスと書いてあったのでミステリ系なのかと思いきや全然違っていた。痛みを主軸とした人間の根源を描こうとしている哲学的小説。とんでもない人間ばかり出てくるが、京馬は好きだわ。下巻でどう帰結させるのか気になるが、読むのに体力いるので、インターバルとして違う本読んでから下巻読もうと思う。2022/04/16
shun
2
2021年15冊目。上下巻からなる長篇の上巻。単行本が発売された当初から気になっていましたが、想像以上に深い内容でした。さすが天童さん。『痛み』が主題の作品。『痛み』は人類や動物にとってなくてはならないもの。肉体的な痛みだけではなく、心の痛みも含めて。感想は下巻読了後に。2021/03/13
北刻堂
1
取り上げられるテーマが重いことから、読み始めるのに覚悟が要るが、読み始めると止まらなくなる。それが天童荒太の作品に対する印象だった。が、この本は覚悟を決めて読み始めても、入り込むころが出来ない。テーマが重いからではなく、理解の範疇を超えているからだろうか。 ペインレスという題と裏腹に、読むことに痛みを感じる。 この作家の実力を知っているだけに、途中脱落は避けたいが、下巻に入れば少しは引き込まれるのか? ちょっとインターバルを置いて読むことにしようかな・・・・2021/12/13
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