内容説明
偶然見た新聞の求人広告が、二十三歳のシーナマコトに新しい世界をひらいた。彼は友人たちとの共同下宿ぐらしとアルバイトの日々に別れを告げて、小さな業界新聞社に編集者として入社した。そこで出会った怪しく個性的な人物たち。そして、淡い恋の挫折と一人の女性との決定的な出会い…。明るくておかしくて、でも少しかなしい青春を描いた〈愛と勇気と闘魂〉の自伝的青春小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
85
シーナさんの自伝的小説サラリーマン編。椎名さんが入社した頃だから、何年前?自分の父親世代だよね。当たり前だけど今読むと昭和の香りがプンプンと漂う。今はこんな会社ないよな~。もっと殺伐としているもんなあ~。と懐かしさに浸れます。新橋駅周辺の飲み屋は今もサラリーマンの聖地ですけどね。★★★
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
84
二十年ぶりくらいの再読。椎名版青春私小説三部作。名作「哀愁の町に霧が降るのだ」に続くお話。新橋のちっぽけな業界新聞社に勤めたシーナ青年。「哀愁の…」に比べるとワイルドさは減っているけど、良くも悪くも昭和の大らかでのんびりとした雰囲気が感じられる。昭和40年代というからちょうど父親もこんな感じだったのだろうか?★★★+2017/05/17
OHモリ
30
「哀愁の町に霧が降るのだ」を30年以上ぶり読んだ勢いで続編の本書も読み直し。もうどこまでが実際にあったことでエッセーなのか、どこからが創作で小説なのか境界が不鮮明だけどだんだん創作部分が多くなってきているらしい。夜中に会社に忍び込んで酒を飲みながらチンチロリンとかポーカーをやるってバブル前にはあったような気がするけど、もう今ではありえない世界なのだなと思う。古き良き時代の話になってしまったのだなあと寂しく思うジジイであった。シーナさんも今はもう70歳過ぎだもんなあ・・・2023/07/22
背番号10@せばてん。
29
1999年2月15日読了。あらすじは忘却の彼方。1999/02/15
キク
28
椎名の青春三部作のニ作目で、小売業界新聞社で社会人デビューする時期が書かれている。椎名って「国分寺書店のオババ」の前に、小売業界の専門書を出版してて、たしかそっちが最初の著作物だったと思う。 とにかく酒を呑んで、賭けトランプばっかりしている。でも女性には奥手で、ドキドキしながら電話をかけてる様子がかわいらしい。本当に硬派な不良だ。僕は割と真面目な学生だったので、昔から椎名達の「本を読む硬派な不良」という姿に憧れてしまう。でも、やっぱりドブロクは作ってない。次は最後の「銀座のカラス」を読んでみようと思います2020/12/12