内容説明
古代中国の戦国期、「戦国七雄」にも数えられぬ小国、中山国宰相の嫡子として生まれた楽毅は栄華を誇る大国・斉の都で己に問う。人が見事に生きるとは、どういうことかと。諸子百家の気風に魅せられ、斉の都に学んだ青年を祖国で待ち受けていたのは、国家存立を脅かす愚昧な君主による危うい舵取りと、隣国・趙の執拗な侵略だった。才知と矜持をかけ、若き楽毅は祖国の救済を模索する。
著者等紹介
宮城谷昌光[ミヤギタニマサミツ]
1945(昭和20)年、愛知県生れ。早稲田大学第一文学部英文科卒。出版社勤務等を経て’91(平成3)年、『天空の舟』で新田次郎文学賞を、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。’93年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞受賞。2000年、司馬遼太郎賞受賞
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感想・レビュー
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はっせー
135
時は春秋戦国時代。中山国の宰相の息子である楽毅。楽毅は斉に留学をして見識を広げる。その間に隣国の趙が中山国を狙っている。これが時代背景になっている。楽毅は諸葛亮が自分と比べて天才だと言った人物である。そんな楽毅の人生を描いたのがこの作品になっている。まだまだ序盤のため、話が大きく動かないが、読んでいてとてもおもしろい!孫子の兵法を学び、そこから型にはまってやるより、その場その場で適切な判断を下したほうがいいと理解したり、外交の本質を理解したりと凄さの片鱗を見せている。続きが気になる作品であった!2021/08/25
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
73
宮城谷作品は、興味はあるけど自分には敷居の高い中国もので、しかもボリュームたっぷりの作品が多くちょっと手を出しずらいイメージがあったのですが、読書の幅を拡げるためにと今回初挑戦です。舞台は古代中国の戦国期、小国である中山国の宰相の子、楽毅をとおして祖国の救済を模索する物語。「人がみごとに生きることは、むずかしいものだな。」で始まる全4巻におよぶ大作。第1巻目は楽毅という非凡ではあるが人間味のある魅力的な人物像に迫りつつ、非情な戦国の世の火ぶたが切って落とされます。思っていたより読み易いです。次巻へ!2017/01/02
遥かなる想い
72
本書を読み始めたころは、本になるのが待ち遠しくて、出版予定を心待ちにしていた記憶がある。「諸葛孔明が楽毅にあこがれた・」ということらしいが。2010/06/12
KAZOO
69
ほとんどといって知らない人物でした。小国の宰相の子息として生まれて斉の都で若いころ学びます。小さい国家をどのように運営していかじ取りをしていきくべきかをよく見極めていきます。斉から戻り隣国から攻められる国をいかにして守っていくか、若いころの楽毅の活躍が記されています。2015/03/27
紫陽花
36
「湖底の城」、「孟嘗君」に引き続いての中国・春秋戦国時代の作品です。主人公は中山国宰相の楽毅。この時代の中国は、秦・趙・韓・燕・楚・斉・魏・呉・越は有名ですが、中山国は知りませんでした。小国ですね。斉で兵法をはじめ色んなことを学んだ楽毅の活躍が楽しみです。2021/10/03