新潮文庫<br> 花を捨てる女

新潮文庫
花を捨てる女

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  • サイズ 文庫判/ページ数 265p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101443089
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

女は毎日、まだみずみずしい花束を捨てていた―古典的探偵小説を連想させる殺人現場と、緻密な計画が意表を突く「花を捨てる女」、家出から戻った妻が別人だと親友が通報する「アイデンティティ」、次々と現れる遺言書に状況が翻る「三通の遺言」など、絶望に迷路から女たちが仕掛ける、繊細で大胆な殺人事件の数々。愛に迷う女たちの心のひだを鮮やかに編んだ推理短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じいじ

37
 夏樹静子のミステリーは、男性作家が描くような迫力さはないが、丁寧な心情表現とテンポのいい文体が読みやすくて好きである。本作は表題作を含む6編の短編。トリック、どんでん返しなど派手さはないが、どれも内容に変化があって楽しめる作品である。私は、「夫は本当に今の暮らしに満足しているのだろうか・・?」と得体のしれない予感に脅かされる妻を描いた「家族写真」が好きだ。「三通の遺言」は筋が面白い。表題作の「花を捨てる女」は、女の執念深さ、情念の怖さを感じた。13冊目の夏樹作品だが、たまに夏樹ミステリーが読みたくなる。2015/02/19

とも

21
六篇の短編から構成された一冊。どの章も女性の闇が描かれた怖い内容。派手さは無いし、「わぁ」と驚く様なドンデンも無いけど、それだけに怖さが深々と滲む。それほど長くない短い章の中に、凝縮された嫉妬、怨み、妬み、殺意が詰め込まれてて怖い。 甲乙つけ難いけど「三通の遺言」は特に秀逸。是非オススメです。2018/03/23

coco夏ko10角

16
6つの作品収録の短編集。『アイデンティティ』家出した女性が戻ってきた、が…。その人がその人であるとどうやって証明するのか。『尽くす女』女性が尽くしてた理由や行動の順番。なるほど。『家族写真』出張先で亡くなった夫。奈津子がどうするかと読んでてドキドキ。 花を捨てる女/アイデンティティ/尽くす女/家族写真/三通の遺言/線と点2023/01/25

aoko

4
6編の推理短編集。短編なので大仕掛けなトリックも大どんでん返しもないけれど、どの短編も心理描写が事細かにされていて怖いもの見たさでどんどん読み進められた。長編も読んでみたい。2019/03/03

nappa

4
ミステリーというより、恐ろしさにぞっとした。2016/08/17

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