出版社内容情報
松本 修[マツモト オサム]
著・文・その他
内容説明
大阪はアホ。東京はバカ。境界線はどこ?人気TV番組に寄せられた小さな疑問が全ての発端だった。調査を経るうち、境界という問題を越え、全国のアホ・バカ表現の分布調査という壮大な試みへと発展。各市町村へのローラー作戦、古辞書類の渉猟、そして思索。ホンズナス、ホウケ、ダラ、ダボ…。それらの分布は一体何を意味するのか。知的興奮に満ちた傑作ノンフィクション。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
59
ずいぶん久しぶりの再読。東西で区別したら東の自分だが、結婚相手が西の人だったため以後言葉はもういろいろゴチャゴチャになってる。2013/07/02
山口透析鉄
40
これ最初に読んだのは20代の頃で、単行本も図書館で借りたような記憶も。 ナイトスクープ特番のVHSも購入して見ました。コピーガードがされていたのを覚えています。 番組を見ていたのは初代局長時代です。この本の存在はしばらくしてから知り、アホ・バカに相当する日本語の多様性にびっくりしましたし、読み物としても純粋に非常に面白かったです。 TV番組制作者としてプロの松本修氏の思考方法等も大いに参考になりました。 この頃はまだTVも元気でした。 ナイトスクープ 、初代局長が交代したあたりから見なくなりました。2023/11/14
読書ニスタ
40
福井敏雄さんが、じえんじえんみえましえーん、と悪天候の上空から叫んでる絵、みたことある気がする。辞世の句を読んでたらしい。あの百田くんが出て来たりと、時代を感じる。バブル前夜ってすごい牧歌的だったなあ。2020/02/18
つちのこ
39
ドキュメンタリータッチの一般書として出版した効果は大。メディア発信と併せて読者層を拡大した功績は大きい。学術的知見が濃厚な内容をいかに分かり易く読者に届けるのか、編集のノウハウと著者のセンスが光っている。仮説を立て、これでもか!と徹底追及する姿勢は職業柄か。「アホ」「バカ」の語源の謎を探っていく過程は、上質なミステリ小説を読むような錯覚を得た。「アホ」と「バカ」、私はどちらも使うが「タワケ」は使わない。私が育った名古屋ではかつてはご老人たちの日常会話だったが、歴史あるそんな誇り高き方言も今は死語になって⇒2025/07/08
Shoji
39
探偵!ナイトスクープに寄せられた葉書「東京のバカと大阪のアホの境界を調べて下さい」に端を発した、全国規模のアホ・バカ調査だ。軽いタイトルであるが、書かれていることは重厚長大。言語地理学、比較言語学なのである。アホにもバカにも、侮蔑の意味もあれば、親しみを込める場合もある。さらには、タワケ、ボケ、カス、と多くの言葉が存在する。著者はバラエティ番組のテレビマンだが、非常に多くの関連書籍をあたり、大学の先生を訪ね、地方の教育委員会を訪ね、大変なご苦労をなさって仕上げた「アホ・バカ分布」。興味ある一冊でした。2025/01/21