新潮文庫<br> 博浪沙異聞

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新潮文庫
博浪沙異聞

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  • サイズ 文庫判/ページ数 294p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101437118
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

歴史のなか、人は天命に従い生きるのみ。だが無数の夜に沈んでいった、愛の、怒りの、欲望の、幾つを史書は、伝えることができたのか―。始皇帝暗殺に失敗した青年が、逃亡中迷い込む幽境での不可思議な体験を描き、第15回歴史文学賞を受賞した表題作を始め、古代中国史の美姫、英雄たちのドラマを、微かな悲しみと共感を湛えた視線で描く佳品六篇。幻想的な美しさ溢れる歴史小説集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

八子@ちょっと復活

6
面白かった!古代中国の歴史(?)を基にした短編小説集。古代中国に疎いせいで、ちょいちょい出てくる謎の老人の正体が分からないという事態が発生することもあったが楽しく読めた。全体的に漂う、大きな流れは定まっていてそれに抗っても何も変わらない、という儚さが好き。史書には伝えられない悪女の話が一番お気に入り。2016/12/05

巨峰

4
デビュー間もない作家の短編集としてはなかなか読ませる。宮城谷さんのと併読して読むといいかも。狩野さん、かなり期待していたのに、新作が途絶えていますね・・・

名駿司

3
★★★★☆ 張良の表題作が何と言っても良い。早朝、橋に黄石を訪ねる話より、はるかに典雅だ。驪姫の物語はオリジナリティがある。史記よりも女性の納得を得られるだろうが、もっと踏込ませても良かった。貂蝉の様に。黥布の話は分かりやすい漢を一層分かりやすく描いている。最後の話は季札が譲位を受けていたらというIFもの。この時代の呉はどうしても伍子胥・范蠡の呉越に焦点が行ってしまうが、その少し前の時代の話。枕は邯鄲の夢を意識した小物か。結局公子光は暴発するんだよね。結果は変わらない中で、自由に描き直している。2017/07/03

オイコラ

3
卜筮とか仙人が、うまく雰囲気を出してると思う。「帝たらんと欲せしのみ」で、人相見と黥布の間にあらわれる断絶といおうか決定的な姿勢の違い、それによって兵を起こす展開がおもしろい。ただまわりの状況に危機感をいだいたとか、帝位に欲がわいたとかいうよりドラマチック。2016/05/20

三井寿里

1
「亜州黄龍伝奇」で好きだった狩野あざみさんのデビュー作が収録された一冊。皇帝になる前の始皇帝に親を殺された少年の物語に始まり、春秋時代の呉で王の座を長兄から譲り受けようとしていた末弟が見た生々しい夢の話まで、中国の歴史好きには堪らない短編集です。2019/11/03

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