内容説明
1968年12月10日「三億円事件」発生。多くの謎を残し、7年後に時効が成立。それから約20年、一枚の焼け焦げた500円札が一人の男を動かした。執念の取材が明らかにする捜査本部の混乱、モンタージュ写真の欺瞞、浮かび上がる三人の男…。やがて突き止めた「真犯人」はアメリカにいた!6時間にも及んだ手に汗握る「対決」。正体は?動機は?そして三億円の行方は?文庫化にあたり衝撃の後日談を収録。
目次
プロローグ 証拠
第1章 雷鳴
第2章 布石
第3章 内紛
第4章 接点
第5章 疑惑
第6章 黒幕
第7章 捕捉
第8章 対決
第9章 混沌
エピローグ 孤独
著者等紹介
一橋文哉[イチハシフミヤ]
1995(平成7)年、月刊誌「新潮45」での連載「ドキュメント『かい人21面相』の正体」(雑誌ジャーナリズム賞受賞)でデビュー。’96年、『闇に消えた怪人』(新潮社)を出版後、宮崎勤、オウム真理教、三億円強奪事件などをテーマにしたノンフィクションを次々と発表
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- 評価
稲岡慶郎の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
93
当時、小学生だった私が億というお金を知ったのはこの事件が初めてだと思う。そのお金を見事と言っていいのか悪いのか一滴の血も流さずに盗んだ犯人は一体どんな人間だったのか。かなり怪しい人間達も登場するが決定的な証拠もなく時効。そしてあと数年で50年になる。当時20歳としても70歳、運転手や目撃者、警官の多くは亡くなられたも多いと思う。今になってはもう新しい証言者や証拠が現れることがないはずだ。真相はどんどん闇につつまれてゆく。解説はビートたけし。昔テレビ番組でこの事件の犯人役を演じたそうだ。2016/12/19
おいしゃん
62
2017年最後を締めくくるのは、1週間かけて読み切ったこの本。これで年間290冊目!!未解決事件ではあるが、ありとあらゆる可能性をもとに捜査をした警察もすごいし、それ以上に犯人グループの目星をつけるとこまでたどり着いた著者もすごい。読み応えある本で締めくくれて良かった。2017/12/31
ころこ
13
事件ものノンフィクションを幾つか読み、著者の技量の違いが大きくあることに気付きます。著名な書き手でも、実際読むと拙劣な文章に出会うことは稀ではありません。その中でも著者の文章は上手く、圧倒的な情報量であっという間に結論まで持っていく技量は余人に代えがたいと思います。本書でも、冒頭に強奪された現金と照合できる5百円札が登場するというのが読者を惹きつけます。ですが、冷静に考えてみれば、なぜわざわざ著者の下に情報提供者が連絡を取ったのでしょうか。三億円事件が今でも言及されるには、幾つか理由があります。①急速に都2017/12/17
shirou
12
前から読んでみたかった作品デス。 あまりにも有名な三億円事件。 でも、捜査の内容や方法は知りませんでした。 そして、思ってたよりも事件の真相に迫っていました。 膨大な時間をかけて取材されている事がよく分かります。 昭和の事件史として、語り継がれて行く事でしょう。2014/02/07
カツ
11
なかなか面白い。時効が過ぎて何年も経っているから関係者の口も軽くなりここまで追求できたのだろうが、いちジャーナリストができた事をなぜ警察組織ができなかったのか?組織がでかくてもうまく纏める指揮官がしっかりしてないとダメなんだな。しかし、あの三人は本当に真犯人なのか?2017/07/08