新潮文庫
美麗島紀行―つながる台湾

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  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101425603
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

美しき、麗しの宝島、台湾。数奇な運命を辿ったこの島に魅了された作家が、丹念に各地を歩き、人々と語らい合い、ともに食べ、その素顔にせまる。日本人の親友の妹と結婚した考古学者、日本統治下時代を「懐かしくて悔して」と語る古老、零戦乗りを祀る人々。彼らの面影には私たちが見失った私たち自身の顔も浮かび上がるのだった――。歴史と人に寄り添った、珠玉のような紀行エッセイ集。

内容説明

美しき、麗しの宝島、台湾。数奇な運命を辿ったこの島に魅了された作家が、丹念に各地を歩き、人々と語り合い、ともに食べ、その素顔を描き出す。日本人の親友の妹と結婚した考古学者、日本統治下時代を「懐かしくて悔しくて」と語る古老、零戦乗りを祀る人々。そうした彼らの面影には私たちが見失った私たち自身の顔も浮かび上がるのだった―。歴史と人に寄り添った、珠玉の紀行エッセイ。

目次

時空を超えて息づく島
夏場も時代も乗り越えた小碗の〓
牛に引かれて、ならぬ「牛舌餅」にひかれて
台中で聞く「にっぽんのうた」
道草して知る客家の味
過去と未来を背負う街・新竹
「お手植えの黒松」が見てきた歳月
宋文薫先生夫妻
淡水の夕暮れ
矛盾と摩擦の先にあるもの
日本統治時代の幕開けと終焉―宜蘭
嘉南の大地を潤した日本人―八田與一
「文創」が生み出すもの
三地門郷で聞く日本の歌

著者等紹介

乃南アサ[ノナミアサ]
1960(昭和35)年、東京生れ。早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て、作家活動に入る。’88年『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作になる。’96(平成8)年『凍える牙』で直木賞を、2011年『地のはてから』で中央公論文芸賞を、’16年『水曜日の凱歌』で芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

469
乃南さんの作品はほぼ全作品既読かと思うが、彼女が台湾にここまで興味を持っていらっしゃったのは初耳だった。いわずもがな「美麗島」は、16世紀にこの島を発見したポルトガルの船員が「フォルモサ=麗しき島」と呼んだことから名づけられたもの。乃南さんご自身は東日本大震災後、台湾からの(アメリカをしのぐほどの)巨額の義援金に感動したことに端を発して興味を持たれたらしい。わたしも台湾本はいくつか読んだので既知のことも多かったが、大変勉強になった。今作を読んで、少しでも多くの日本人が訪台を楽しんでくれることを願う。2023/08/02

小太郎

51
読み始めてすぐにこれ読んだことがある!と気が付きました。台湾で神様になった日本兵のエピソードが印象的だったので。調べてみると新潮社じゃなくて集英社に15年に単行本で出ていた奴じゃありませんか、文庫になって装丁が変わってまた買ってしまうという失敗(新しい後書きが良くて満更失敗でもない例も多数ありますが 笑)を久しぶりにしてしまいました。これを読んで台湾へ行こうと思った忘れがたい一冊。単なる紀行じゃなくて台湾と日本の関係のかなり深いところまで突っ込んだ名著だと思います。再読しました。★42024/03/01

piro

47
この島はかつて日本だった。そして途中まで日本人だった人々がいる。日本の敗戦によって「光復」が訪れた側の台湾の人々が、その後味わった過酷な日々も、私たち日本人にとって馴染みのない歴史。緩い台湾旅エッセイなのかと思っていたら、とても真面目な真の意味での台湾の入門書の様な一冊。私たちが知っておくべき事実を、真摯に綴った紀行本でした。乃南さんの著作は初読みですが、丹念な取材と偏りの無い冷静なスタンスに感服しました。隣人である台湾の人々に大きな敬意と感謝、そして親愛の情を持って、また台湾を訪れてみたいと思います。2021/11/30

外枠発走

41
台湾の紀行文。台湾は、昔から一度は行ってみたいと思いつつ、未だ行けていない。日清戦争の後、日本の植民地となり、五十年の統治期間で、インフラのみならず、教育や文化の面で大きな発展を遂げた。台湾と日本の繋がりは深い。著者は精力的に、様々な土地を訪ね、会話を重ねた。繋がりの深さを語る人々は年々少なくなっていて、貴重な文献だ。著作は数多く、この作品も安心して読める。美しい景色や美味しい食べ物が台湾の魅力として紹介されがちだが、日本との繋がりの深さを十分理解した上で、当地を訪れたい。2023/07/30

紫羊

32
母方の親族で台湾から引き上げてきた人がいた。財産は全て失ったが、略奪や暴力などなかったそうだ。この本にも日本の敗戦と、それに続く混乱が描かれている。日本の統治時代しか知らない台湾の人たちの多くが感じたという「私たちは捨てられた」という言葉に胸が塞がる思いがした。2023/01/16

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