出版社内容情報
犯罪を犯した警官を捜査・検挙する組織──警務部人事一課監察係。女性監察官沼尻いくみの胸のすく活躍を描く傑作警察小説四編。
ホストにいれあげている中年女・若山直子の資金源は、ホストクラブで借金がかさみ、身動きのとれなくなった少女たちだった。経営者を脅して得た顧客情報から、未成年者の親に当たり、「解決してやる」とカネを要求する。直子の職業は、警察官だった──。犯罪に手を染めた警察官を捜査する組織、警視庁警務部人事一課監察係。女性監察官沼尻いくみの活躍を描く傑作警察小説四編。
内容説明
ホストにいれあげている中年女・若山直子の資金源は、ホストクラブで借金がかさみ、身動きのとれなくなった少女たちだった。経営者を脅して得た顧客情報から、未成年者の親に当たり、「解決してやる」とカネを要求する。直子の職業は、警察官だった―。犯罪に手を染めた警察官を捜査する組織、警視庁警務部人事一課調査二係。女性監察官泥尻いくみの活躍を描く傑作警察小説四編。
著者等紹介
乃南アサ[ノナミアサ]
1960(昭和35)年、東京生れ。早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て、作家活動に入る。’88年『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作になる。’96(平成8)年『凍える牙』で直木賞を、2011年『地のはてから』で中央公論文芸賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
82
文庫にて再読。警察官が、ふと道を誤ってしまったら…。そんな警察官を調べる監察。中年~老年の警察官が、仕事にも疲れ、家庭にも暖かみを見いだせなくなったときにハマる罠。汚職、証拠捏造、ストーカー行為…。犯罪者となってしまう警察官がフラフラとそちらに迷い込んでしまう気持ちと、監察に見つかった時の動揺がよく描かれている。再読なのに、読んでいてドキドキした。2015/01/20
taiko
64
警察庁の監察を行う部署に務める婦警沼尻いくみと、監察対象になった警察官たち。…詐欺を働き手に入れたお金をホストに使った若山。息子の病を直した自然食品を、暴力団に教えた結果、暴力団の悪事に手を貸すことになってしまった風祭。時効間近の事件を追いながら、警察内部の秘密情報をマスコミに流していた小池。ストーカーに追われる沼尻と、沼尻の元交際相手内野。実際にあっては困るけど、ありそうと思わされる話ばかり。警察官も人間ですから、欲に流されることはあるとは思いますが、悪を正す番人である自覚を持って欲しいと願います。2020/03/11
yomineko@鬼畜ヴィタリにゃん💗
62
流石、乃南アサさん!面白かったです。最後が特に、ドキドキしました。さらっと読めますよ!2020/11/25
金吾
53
監察という仕事は身内を疑うという仕事であるということを知りました。これは心理的に大変きつい仕事だと感じました。また警察官といえども欲望には弱いと思いますので、話のアプローチは良かったです。監察の部分が濃ければより面白いのではないかと思いました。2021/10/18
siro
51
たとえ警察官とはいえ人間、魔が差すこともある…でもやっぱりダメでしょうねぇ…実際に警察官の不祥事が起きれば警官がそれをしたらダメでしょうって思うもの。だから監察という職種は必要なんでしょうね。「免疫力」の話だけは少し同情してしまった。ラストが何ともやりきれない気分。それにしても悪に転落していく警察官のキャラが濃すぎてヒロインが全く目立たない(笑)2015/09/24