内容説明
好きな男と結婚して、家族を愛するのが私の夢。でもママは「愛だけでは幸せになれないのよ」と過去の自分の情熱を忘れて言った。ママが小説家になると、質素だった我が家の冷蔵庫に100%のジュースとキャビアが入った。夢を実現させたママは輝き、思春期の私は、理由なき反抗をかさねていた。1993年の夏、ママは死んだ。私は22歳、切ないほど悲しみのわかる大人になっていた…。
目次
最後の夏の始まり
最後の夏の終わり
母が探していたもの
父が求めていたもの
伊藤雅代の幼年、青春時代
ダディーとマミーの出会い
情事
学校は大嫌い
三人姉妹
作家の母、作家の娘〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
睡
3
学生時代、ほぼリアルタイムで読んでいた森瑶子。次女の手になるこの一冊は以前から気になっていて、偶然古書店で出会ったので迷わず手に取った。伊藤雅代がマサヨ・ブラッキンを経て森瑶子へと変貌した経緯を、最も近くから見つめ、最も色眼鏡なしに評せる人物による証言だから。この出版からも20年が経とうとしている今、あの膨大な、いつもベストセラー・リストに上っていた作品の数々を、書店で見かけることはまずない。時代を魅了した作家の“遺産”は、名実ともにどのくらい残っているのだろう? そして夫と娘たちは、幸せだろうか?2013/08/14
あおい
1
図書館本 森瑤子さん没後2年あまりで描かれた為、胸中にたぎる父母への愛憎ないまぜな様がまだまだ生生しくて~息苦しいほど。。。で、お嬢さんのマリアさん若干22でご立派な御本です~それにしても瑤子さん、文筆歴15年でなんと100冊(wikiヨリ)も生み出すバイタリティさ。。。ヒモ旦那(m(_ _)m失礼)を横目に家族を養い海外に島買って与論に別荘買って海外旅行して美味しいもの食べて。。。贅沢一杯して、パワフルな女性だったんですねぇ。。。2017/09/11
乃彩
0
華やかなイメージの森遥子さんでしたが、しっかり私たち女性たちと同じように悩み、葛藤していたんだね。 今でも好きな作家です。2011/03/13
丰
0
Y-102008/11/02
b-tamn
0
森瑤子氏の次女が両親に対する複雑な思いを綴った回顧録。時には愛情と感謝で、時には憎しみとなって時間を行きつ戻りつ進む。突如作家としてデビューし多忙で裕福になり交流の広がった妻、妻に金銭的に依存しながら家族に対し独善的で、時に子どもの前で妻に暴力を振るう夫。愛情というよりは共依存ではないかと思われるこの夫婦により、振り回され甘やかされて自立しきれない子ども。森瑤子氏のエッセイでは家族にもしばしば触れられていたが、だいぶ印象が変わる。2019/08/23
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- 和書
- 茶人風情 〈続々〉