内容説明
「これがアユだ。きれいだろう」少年は眼を丸くしてアユを見つめ、しっかりと握ってテントの方に駆けていった―。美しさと豊かさを失いつつある日本の川を憂いながら、友とともにキャンプし川を下る。ダム行政による山河の破壊や愛犬ガクとの別れ。そんな鬱屈した日々の中で挑んだ釧路川単独行やユーコン紀行、思い出のフィンランド再訪など、ノダ流ダンディズムの結晶。
目次
第1章 奔る水、停まる時間(故郷の小川で魚をすくう;歴舟川 ほか)
第2章 単独行がしたい(釧路川)
第3章 ぼくの還る川(米代川;四万十川 ほか)
第4章 そして旅へ(カナダ・ユーコン川;身障者カヌーのユーコン遠征 ほか)
著者等紹介
野田知佑[ノダトモスケ]
1938(昭和13)年、熊本県生れ。早稲田大学英文科卒業。雑誌記者を経てエッセイストに。日本におけるツーリング・カヌーイストの草分けで、ユーコン川、マッケンジー川などを漕破する一方、河川改修、ダム開発をおしすすめる国土交通省の蛮行を告発し続けている
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感想・レビュー
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Naoki Kusue
1
読了。 今更、こういった人生は、送ることはできず、ひたすら憧れ感を抱きながら読み進めました。2020/03/31
pepe2199b
1
『川』という存在を通して、生き方を語る、そんな本だと感じた。本文の『望めばどんな生き方もできるのである』という何気ない一節が大好きだ。2012/01/14
たか。
0
川の堤防はある程度必要だと思うけど、ダムはこれ以上いらないかな。きれいな川でキャンプとか最高だろうな。いつかやってみたいです。2011/09/17
まぁ
0
これまで何気ないドライブの目的地や経由地でしかなかったダム。 身近にはあるものの、ただ流れているだけで釣りもカヌーもやらず、景色でしかなかった川。 読んだのはもう10年以上前だったかと思うが、本書を読んでみると、これまで見えていたものが大きく変わった。 気にして見てみると、どこもかしこもコンクリートでかためられた川岸ばかりが目に付く。 記憶に新しいところでは2019年の台風19号が思い浮かぶが、治水のあるべき姿はどうなのだろうか。