内容説明
せせらぎに耳をすませ、川の流れに身をまかせよう。そうすれば、つまらないこと、悲しいことはすべて忘れられる―。ニュージーランドではマス釣り～フィジーでラフティング～そしてインドネシアの激流を強行突破。帰国しては、球磨川下り～錦江湾へタイ釣りに出撃。さすらいのカヌーイストが、行政による河川破壊に憤りながらも、豊かな自然と遊びつつ語った漕ぎおろしエッセイ。
目次
南の川まで（ニュージーランド・カヌー行；フィジー・カヌー行；インドネシア・カヌー行）
こぎおろしエッセイ（１９９２年、夏（グミの木の下で；ボディガードのオブリガード ほか）
１９９２年、秋（２０日分の食糧を積んで旅は始まった…；南国で勤勉になるのはとても難しい）
１９９２年、冬（長良川に凄い連中が集まった；水の無い球磨川も子供たちには大冒険）
１９９３年、春（不機嫌そのもので酒を飲む男たちの大迫力！；老人が元気だと遊び心は継承されるものだ ほか））
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
saga
49
【再読】今から30年前の1992年、著者54歳のこぎおろしエッセイだ。ユーコンから来たブレントと下る「インドネシア・カヌー行」が最高に面白い。川地図はなく、現地人も無責任に「ここから先は何も問題はない」と言われた先は、３～５級の瀬が連続する激流。当然、カヌー行を共にする３人は酷い目に遭う。著者を憤慨させるのは、建設省や環境庁の役人や、ダム推進派という「長い物」に巻かれた故郷の知人、環境問題に本音を書けない新聞記者など。野田さん、この国は貴方が亡くなるまで、精神的に成長できないままでしたね。2022/11/14
圭
2
「この国の農夫と話をするのは面白い。みんなが自分の意見、明確な考えを持ち、数字、統計を出して説明してくれるからだ。こちらの質問に『判らない』『知りません』という答えがない。自分の運命をほとんど農協や政府にまかせっぱなしでいる日本の農家とはかなり違うようである。」という様に、NZ人の生活環境への関心は高い。「われわれ政府は国民と話し合うことはしないのです。ただ理解してもらいます。」という建設省官僚の言葉も、封建制民主主義とも海外から揶揄される日本の現状を象徴している。失ってからでは取り戻せないものも多い。2013/11/27
読み人知らず
2
日本の自然を金に変えてしまう。政府とか権力者のずるさが伝わる。2011/07/29
ラツマピック天国
1
日本全国の川から海外の川までカヌーで下る話です。日本と海外の両方というのが重要で、海外の自然環境に対する考え方と比較しながら日本の河川をめぐる行政の問題点を指摘しています。今から２０年以上前の著作ですが、オリンピック誘致や震災復興など、日本行政の構造的な問題はまったく変わっていないんだなぁということがわかります。2021/03/27
すず犬
1
今夏のNHKブックレビュー出演 見ました。 2003/01/01
