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新潮文庫
秘花〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 287p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101405186
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「お父さん、浮気してるわよ」中学三年の水絵の言葉に知子はギョッとした。水絵は父親にも「母さんは陶芸教室の先生と浮気している」と作り話をしていたのである。十四歳の娘のなかで何が起こっているのか?古い鼈甲の櫛をめぐり、亡き母ゆいと夫の関係について煩悶する知子に、水絵は自分が妊娠四ヵ月であることを告白する―ミステリ・タッチで展開する、女三代の恋愛大河小説。

著者等紹介

連城三紀彦[レンジョウミキヒコ]
1948(昭和23)年、愛知県生れ。大学在学中、『変調二人羽織』で「幻影城」新人賞受賞。’81年、『戻り川心中』で日本推理作家協会賞受賞。’84年、『宵待草夜情』で吉川英治文学新人賞受賞、同年、『恋文』で直木賞受賞。’96年、『隠れ菊』で柴田錬三郎賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あすなろ

74
私、お母さんを産みたいの。お祖母ちゃんのようにお母さんを産みたい。そんな謎めいた言葉で上巻は終える。隠れ菊以来久しぶりの連城氏作品。相変わらず頭の中は錯綜させられる。なんとなく辿る道が解りかけたこの後どうなるのか?連城氏の謎かけを楽しみにしております。2018/06/11

アッシュ姉

65
新年一冊目に読んだ美しい文章の余韻を残したくて、迷わず連城さんをチョイス。内容はこてこての連城劇場(注1:褒め言葉)だが、美文なので流れるように読めてしまう。両親は互いに浮気していると作り話をする中学生の娘に翻弄される母親。くどくてまどろっこしい(注2:賛辞)のに面白い。好きだわ。急いで下巻へ。2019/01/09

🐾ドライ🐾

9
祖母(故人)、母 知子、娘 水絵の女三代の恋愛小説。 男って、根っからの詐欺師でない限り、後ろめたいことがあって嘘をつくとき、『只今バレないように嘘をついてます』というシグナルを発する。女性は微量であってもこのシグナルを感知する(どんだけ精密なセンサー持ってるねん!) しかしながら、この小説では知子が鈍い。そういうタイプもいるとは思うがあまりにも鈍い。逆に娘の水絵は大きな問題を抱えていても冷静、祖母や両親の過去についても落ち着きすぎ。異世界か異星人の物語なんじゃないか…。 僕の頭では、女心の深さを→2019/07/10

Penn

2
母親の過去や出生の秘密といった通俗的な主題ながら、時折みられる美しい表現に魅了される。「玩具の竪琴にも似た櫛は、母の全生涯の結晶だった」「昔風の色ガラスや丸い軒灯、提灯の灯や格子窓から漏れる短冊のような色とりどりの明かり、紅や白粉…華やかな、時にはどぎついほどの派手な色を放つ着物や帯。母の若い体までも染め上げたそれらの色彩が、今は薄暮のような褪せた光になってこの櫛に残っている」こんなレトリックを堪能するだけでも、十分に価値のある作品であろう。小樽で何が起きるのかを楽しみにしつつ、下巻へ。2015/07/26

空の落下地点。

1
画一的な平凡をこそ愛せる、平凡に埋没したい、ということかとも思いましたけど・・・橘との生活のことなのでしょう。祖母が手にし、水絵が手にしようとしていて、けれど知子だけが手にしていないもののことをラストでは指していると。第四章のパート3が結構印象的だ。女の子の母親であることとは自分の中の少女と見つめ合うこと。自分の中の少女が姿形をとって現れたものが娘だと思えという。「赤」のくだりは赤線を暗示してるのかな。和代は源氏名。下巻読む体力無いけど、どうか祖母と夫の関係が健全でありますように。絵が妄想か祖母作であれ。2019/04/04

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