内容説明
恋人に去られた淋しさから、類子は馴染みのゲイバー「マダムG」に入り浸る。やがて、類子はGの部屋に転がり込み、「男と女」とも「女と女」ともつかぬ奇妙なセックスレスの同居生活を始める「椅子の上の猫」。失恋の痛手から、香代子は恋愛に踏み込めず、臆病な五年を過ごしてきた。そんな彼女が、別れを選んだ男と偶然出会う「再会」。真摯で不器用な30歳の女たちを描く文庫オリジナル作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
水戸
1
女が自分の芯を揺らされてしまう年齢の二篇。恋というには重たくて静かで、愛というにはどこか違う気持ち。二十代の華やいだ、あるいは若さを含んだ大人になりきれない幼さと、自立した大人として目される年齢(結婚や仕事など)への最新の転換期の揺らぎが描写されていました。2024/02/23
kamedon
0
面白かった。もっとじっくりこの世界を堪能したかったけど、あっという間に読み終わってしまった。2012/08/26
千斗
0
熟れゆく夏2008/05/28
しのやま
0
人との関わりかたがわからなくなっている女の人に刺さると思う。この作者は心の機微をかくのがうまい。 少しだけ昔の日本の価値観を感じる。2020/02/21