出版社内容情報
仇討ち劇の陰に咲く悲恋(「べんがら炬燵」)。知られざる浅野内匠頭の狂態(「火消しの殿」)。。剣の達人堀部安兵衛の峻厳たる男気(「実説『安兵衛』」)。脱盟の汚名を呑んだ槍の名手高田郡兵衛の煩悶(「脱盟の槍」)。大石の志を試した商人天野屋(「命をはった賭け」)。吉良の呆れた精神構造(「吉良上野の立場」)滂沱の涙を誘う若き浪士の姿(「永代橋帰帆」)。感涙必至、神品七編。
吉川 英治[ヨシカワ エイジ]
池波 正太郎[イケナミ ショウタロウ]
柴田 錬三郎[シバタ レンザブロウ]
海音寺 潮五郎[カイオンジ チヨウゴロウ]
佐江 衆一[サエ シュウイチ]
菊池 寛[キクチ カン]
山本 一力[ヤマモト イチリキ]
内容説明
仇討ち劇の陰に咲く悲恋(「べんがら炬燵」)。知られざる浅野内匠頭の狂態(「火消しの殿」)。剣の達人堀部安兵衛の峻厳たる男気(「実説『安兵衛』」)。脱盟の汚名を呑んだ槍の名手高田郡兵衛の煩悶(「脱盟の槍」)。大石内蔵助の志を試した商人天野屋(「命をはった賭け」)。吉良のあきれた精神構造(「吉良上野の立場」)。滂沱の涙を誘う若き浪士の姿(「永代橋帰帆」)。感涙必至、神品七編。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
132
今年も師走に入りやっぱり忠臣蔵は読みたいと思っていたら、これですよ~!何度読んでも好きだなぁ。例え吉良さん側からの視点でも好きだ。今回、七人の作家による短編集。堀部安兵衛と高田郡兵衛の話が続けて載っているのは嬉しい。そして、切腹から始まり切腹で閉じる編集が心憎い。解説にあったが、昨今の若者はご存じないのか・・寂しいかぎりだ。日本人なら師走は何度でもこれでしょう!(笑)2016/12/10
扉のこちら側
84
2017年116冊め。こちらもタイミングを逸してしまった一冊。忠臣蔵アンソロジーなのだから十二月中に読めばよかったと思う。解説での触れられている、最近は「ご存知の忠臣蔵」というのが通用しなくなってきているに同意。一番好きだったのは吉川英治氏の『べんがら炬燵』。細川氏へお預けになった大石以下十七名の切腹までの日常を描いたもの。2017/02/05
けやき
54
吉川英治「べんがら炬燵」、池波正太郎「火消しの殿」、柴田錬三郎「実説「安兵衛」」、海音寺潮五郎「脱盟の槍」、佐江衆一「命をはった賭け」、菊池寛「吉良上野の立場」、山本一力「永代橋帰帆」の七編のアンソロジー。 高田郡兵衛を描いた、海音寺潮五郎の「脱盟の槍」がよかったな~。2016/12/11
navyblue
15
日本に住んでいた頃、師走の時期になるとテレビで「忠臣蔵」のドラマや映画をよく見ていた。その時々で演じる役者さんはちがうけれど、12月はやっぱり忠臣蔵、という印象が強い。このアンソロジーはそんな忠臣蔵のお話にちょっと違う角度から光を当てたものだ。中でも浅野内匠頭の意外な素顔が衝撃だった「火消しの殿」、吉良上野介目線で語られた「吉良上野の立場」など楽しめた。お気に入りは「べんがら炬燵」「永代橋帰帆」。特に「永代橋帰帆」で最後に出てくる16歳の大石主税の佇まいに涙した。2017/01/16
Naoko Fukumi Fujita
12
一番好きな作家山本一力を含む豪華陣による、多角的な視点でつづられた忠臣蔵。読後、解説に目を通すと謎な部分も多いということで納得。時代背景を鑑みると、浄瑠璃や神楽といった大衆芸能の発展に大きく寄与した事件なのかもしれない。以下各々の感想 吉川英治:琴の爪、ああ最高! 池波正太郎:ウフフ・・・ 柴田錬三郎:難しいけれどせつない 海音寺潮五郎:わかりやすい 佐江衆一:傑作!茶道のたしなみがわかるの数々 菊池寛:白の綸子がポイント! 山本一力:複雑な心境の描写がすばらしい!2017/01/27