内容説明
周囲の森が一夜にして海と化したという伝説を持つ島イル・サン・ジャック。22世紀の旅人ミチルとロイディがこの島で出会った「女王」は、かつて別の地に君臨した美しき人に生き写しだった―。王宮モン・ロゼで発見された首のない僧侶の死体、犯人と疑われたミチル、再び消えた海と出現した砂漠。謎に満ちた島を舞台に、宿命の絆で結ばれた「女王」とミチルの物語の第2章がはじまる。
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
1957年愛知県生れ。’96年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞して作家デビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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nobby
136
何とも作品全般に漂うのは悲壮感…それでいてミチルとロイディの会話にクスッと出来るという複雑な読み心地(笑)新たに訪れたのは閉ざされた迷宮の島イル・サン・ジャック。そこで起きた殺人に巻き込まれる様は理不尽極まりなく…一方で女王メグツシュカとの衝撃の出逢い、その姿は別の地に君臨した美しき人に生き写しで…気付けば読了していた600頁弱の疾走感はなかなか♬22世紀SFな世界を満喫しながら、人間とは生死とはと随所で自問する葛藤が切ない…「生きているとは、何ですか?」その問いかけへの答えはいつか明かされるのだろうか…2021/05/25
yu
108
kindleにて読了。 長かった。。。100年シリーズの2作目。森さんのお話は相変わらずアホには難しい。ミチルとロイディの会話がいい!っていうか、ロイディ、成長しているし。ロイディがたまらなく欲しくなった。そして、今後のミチルとロイディとパトリシアの関係が気になる。2014/12/06
セウテス
94
【百年シリーズ】第2弾。周囲の森が一夜に海と化した伝説の島に、ミチルとロイディはやって来る。島を治める女王は、前作で会ったデボウに生き写しであった。王宮で首のない僧侶の遺体が発見されるのだが、私的には人とは生とは個とは等、ミステリより哲学的は推論が中心に感じる。未来はこうした世界観なのかとも、今現実の世界すらデータ世界の中という考え方とも、判断は出来ない。読むほどに、曖昧になってゆく様々な境い目を、理解と納得の狭間で行ったり来たりしている。意識と本体の分離が、生きている事とどう折り合うのか楽しみではある。2022/06/30
さばかん
71
相変わらず いったい 何を考え どう行動し 何を想い どう暮らし 何を思慕し どう生きていれば こんな小説が書けるのだろう2017/03/31
akira
61
百年シリーズ第2段。 前作にもまして不思議な世界観。SFだからこその仕掛けも魅力的。 いつも通り会話を中心に拾って読んでいたが、この人物の発言は妙にぐっとくるなと思っていたら。なるほど。 次第に変化していくロイディ、そしてミチル。よくある探偵モノの名コンビという言葉では足りない。こういう関係も悪くないと思った。 そして、最後に再会したこの言葉。使われた意味は異なるが、かの瀬在丸女史を思い出さずにはいられない。 「人間としての誇りを持ちなさい、ミチル」2013/06/11
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