出版社内容情報
宇治の御茶師朝比奈家の養女として、綸は碾茶製造の技術を学び、病に倒れた父の跡を継ぐ。一方、徳川・豊臣の決戦近しの報が走る。豊臣の恩顧に報いるべきか、徳川につくべきか。文化的・政治的存在となった茶をめぐる人間模様の中で、これまで誰も取り上げなかった、御茶師に焦点を当て、激しい時代の流れを縦糸に、綸の正義感と繊細な女心を横糸に錦?というべき世界を織り成した歴史小説。
内容説明
宇治の御茶師朝比奈家の養女として、綸は碾茶製造の技術を学び、病に倒れた父の跡を継ぐ。一方、徳川・豊臣の決戦近しの報が走る。豊臣の恩顧に報いるべきか、徳川につくべきか。文化的・政治的存在となった茶をめぐる人間模様の中で、これまで誰も取り上げなかった、御茶師に焦点を当て、時代の奔流を縦糸に、綸の正義感と繊細な女心を横糸に錦繍というべき世界を織り成した傑作歴史小説。
著者等紹介
藤原緋沙子[フジワラヒサコ]
高知県生れ。立命館大学文学部卒。人情時代小説の名手として、リアリティあふれる物語空間の創出、意外性に満ちたストーリー、魅力的な人物造形などが高く評価される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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一五
9
宇治のお茶師たちの、戦国の乗り切り方。小堀遠州は奈良に縁あるので、想い人だったり、悪役になったりでハラハラ2022/08/22
畑ぽん
4
宇治を舞台に孤児だった凛の成長物語。父親はやっぱり織部だったのかなと思いつつ読み続けて…もやもやと。怒りは呑み込め、それを糧にして機をみて踏み出せ。というフレーズが今回のお気に入りとなりました。織部好みの茶室が気になり調べましたが、コンバクトに纏まった渋い茶室でした。古田織部の事、宇治茶の事、改めて何も知らなかったな…と再認識したので改めて勉強し直すきっかけを頂きました。2024/02/11
おさと
4
堅苦しくない時代物。読みやすかった。2023/07/02
陽ちゃん
4
宇治で御茶師の養女として育てられた綸が、豊臣家滅亡や慕っていた古田織部の死を経験しながら、御茶師として一家をまとめ、繁栄させようと奮闘する姿が凛々しいです。宇治の御茶栽培の様子は以前にTVで見たことがありますが、気の遠くなるような手間ひまがかかっているんですね。そして、本文ではないですが、参考文献の多さに驚きました。2021/07/28
YH
3
御茶師って耳慣れないが、流石、茶道が国の中枢になっていた頃は、お茶の生産者にも名字帯刀みたいな特権があったんだな。しかも武士ではないのに、天下分け目の戦さにも巻き込まれたりと、一般の商家とは異なる成り立ちなど興味深かった。2023/03/19