新潮文庫
日本の涙の名歌100選

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  • サイズ 文庫判/ページ数 254p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101389219
  • NDC分類 911.104
  • Cコード C0192

出版社内容情報

叶わぬ恋、別れ、死、世の無常。今も万人の共感を呼ぶ、魂の叫びをとじこめた、万葉集から現代までの心洗われる名歌とその解説。

叶わぬ恋、別れ、死、孤独、世の無常――。今も昔も、生きているかぎり、折にふれて涙をこらえきれないほどのかなしみに出会ってしまうことは変わりません。日本人は、古(いにしえ)より抱えきれないほどのあふれる想い、魂の叫びを歌に託してきました。万葉集から現代まで千数百年もの歴史のなかから精選した心洗われる名歌と、その背景を解説した感動の書。「日本のかなしい歌100選」改題。

内容説明

叶わぬ恋、別れ、死、孤独、世の無常―。今も昔も、生きているかぎり、折にふれて涙をこらえきれないほどのかなしみに出会ってしまうことは変わりません。日本人は、古より抱えきれないほどのあふれる想い、魂の叫びを歌に託してきました。万葉集から現代まで千数百年もの歴史のなかから精選した心洗われる名歌と、その背景を解説した感動の書。

目次

かなわぬ恋(笠女郎―思ふにし死にするものにあらませば、相思はぬひとを思ふは大寺の;樋口一葉―よそながらかげだに見むと幾度か;永井陽子―水のやうになることそしてみづからで ほか)
わかれの歌(防人の歌―わが妻はいたく恋ひらしのむ水に、唐衣すそに取りつき泣く子らを、父母も花にもがもや草枕;遣唐使之親母―旅人の宿りせむ野に霜降らば;柿本人麻呂―淡海の海夕波千鳥汝が鳴けば、ひさかたの天知らしぬる君ゆゑに、石見の海角の浦廻を浦なしと ほか)
世は無常(遊びをせむとや生れけむ;我等は何して老いぬらむ;人買ひ舟は沖を漕ぐ ほか)

著者等紹介

林和清[ハヤシカズキヨ]
1962(昭和37)年京都生れ。佛教大学文学部国文学科卒業。23歳で創刊まもない「玲瓏」に入会、塚本邦雄に師事。現在、「玲瓏」選者。’91(平成3)年、第一歌集『ゆるがるれ』で現代歌人集会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

109
倭建命から現代の笹井宏之までの涙の名歌を集成した名アンソロジー。これを読むと、細やかで情に厚い日本人の心象が分かる。生きていると自分ではどうしようもできないことがある。例えば、心から愛している人の死や最愛の子供の死など。そんな時に日本人は身を削るようにして歌を詠むのだろう。歌は涙の結晶なのだ。遣唐使の母や昭和万葉集の歌など無名の人達の歌が収められているところが良い。「あはれあわれこの世はよしやさもあらばあれ来む世もかくや苦しかるべき」(西行)2016/07/20

June

23
見開きの右側に短歌、左側にその歌の歴史的背景を含めた解説が書かれており、読みやすくわかりやすい。万葉集から現代までの、まさに心の叫びが歌を通して伝わってくる。後書きより、日本人には「かなしむ人をうつくしいと思う感性」「人のかなしみに心を寄せる気持」があるとのこと。心打つ歌が幾つもあった。防人の歌「わが妻はいたく恋ひらしのむ水に影さへ見えて世にわすられず」「唐衣すそに取りつき泣く子らをおきてそ来ぬや母なしにして」細川ガラシャ「ちりぬべき時しりてこそ世の中の花も花なれひともひとなれ」2014/05/25

4fdo4

8
本の題名はダサいが、すごくいい本である。 「叶わぬ恋」「別れ」「死」「孤独」「世の無常」と5つに分けて 万葉集から現代まで100首を選んでいる。 「かいなでて負ひてひたして乳ふふめて今日は枯野におくるなりけり」 -良寛 頭をなで、 背中に負って 乳をやり、 大切に育てた子を、 今日は野辺送りに 葬らなければならないのか。 -慟哭- 2015/04/11

夏野菜

8
短歌はあらゆるもの盛り込めるが、悲劇を詠ったものに秀歌が多い。これは、そんな涙を誘う秀歌を集め、解説したもの。著者は塚本邦雄門下、現玲瓏選者。中堅歌人の本が新潮文庫にあるのは珍しく衝動買い。万葉から古今、今様、戦争詠、笹井宏之まで収録。どちらかといえば、万葉から新古今くらいまでが多いか。古代の悲しみを理解するには前提が必要になる。解説はすこぶるありがたい。1番心をうち、涙が出たのは後書きにある河野裕子の絶唱。『手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が』2014/05/10

N.T

4
「日本の歌は、けっしてなみだをみにくいものにあらわしてはこなかったのです。(P4)」 歌に限らず昔の日本人はよく泣いていた。源氏物語を読めばいつも誰かが泣いている。 近代でも終戦の御前会議では陛下を始め閣僚皆泣き伏したという。 それがいつの頃からか泣かなくなった。もしくは涙を見せなくなった。 やや万葉集に偏り過ぎている感じはするが、知らない歌も多く面白かった。 いさり火は身も世も無げに瞬きぬ陸は海より悲しきものを 與謝野晶子 終止符を打ちましょう そう、ゆっくりとゆめのすべてを消さないように 笹井宏之2016/03/17

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