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新潮文庫
業柱抱き

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  • サイズ 文庫判/ページ数 322p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101385136
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

虚言癖が禍いして、私小説書きになってしまった。「言葉」が「はなし」を捏造するのだ。だが、「はなし」に騙られて虚実皮膜の間にただようているのが、そもそも「現実」というものではないのか?魚など一尾もとれる筈のない風呂桶にむかい、あくまでも正気で釣糸を垂れ続けるかのような、深い自己矛盾。その底にひそむ生霊をあばき出す、業さらしな「言葉」の痛苦、怖れ、愉楽…。

目次

業柱抱き
むっつり
安酒の味
私小説について
因果づく
ちぐはぐ
仏壇屋と文士
村の鍛冶屋
風呂桶の中の魚
三島賞受賞の言葉〔ほか〕

著者等紹介

車谷長吉[クルマタニチョウキツ]
1945(昭和20)年、兵庫県飾磨生れ。広告代理店に勤務のかたわら、執筆した短篇の文芸誌掲載が機となり、以後20年余にわたって私小説を書き継ぐ。うち6篇を収めた『塩壺の匙』(’92年刊)により芸術選奨文部大臣新人賞、三島由紀夫賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三柴ゆよし

15
エッセイ集。奥さんである詩人・高橋順子に触発されたという詩らしきものや俳句も載っている。ほかの小説やエッセイを読んでいれば、別に無理して読むまでもない本なのだが、車谷長吉の文体は癖になる。同じことをまた書いてる、とイライラしながらも、気付けば最後まで読んでしまうから不思議だ。それと車谷長吉や西村賢太といった現代の私小説家たちは、天然のようにみえて実際は確信犯なので、書かれたものを鵜呑みにするのは危険。彼らにとって、現実と虚構を隔てる薄皮一枚は、創作原理の中核なのだろう。乾いた哄笑が聞こえてくるようである。2013/01/10

1
"馬鹿者は一生うめくのである。あ。"2018/01/13

t_hirosaki(t_hirosaki)

1
高校時代に出会って以来自分の精神の4割5割を構築しているくるたまにおじちゃまのエッセイ。著者一流の流れるような自虐芸がたまらない。永井龍男やカフカや森鴎外の文学についての語りは、彼の内面に無造作に置かれた宝石をひとつひとつ説明してもらっているようで楽しい。そんな著者もつい先日彼らしい理由で亡くなってしまわれました。人生二萬六千日には僅かに届きませんでしたが。自分の青春を土に埋めるような気持ちで、ご冥福をお祈りいたします2015/05/23

にいざき

0
 私小説というよりは随筆か。車谷の息遣いが聞こえてくるような気がした。後半にある「物の怪」という小品集?私小説?がとてもいい。人間に潜む「物の怪」について、略脈もなく色々な小品が並べられているのだが、その略脈のなさが心地よい。車谷の精神からは学ばされることが多い。そして、この本には句だとか詩のようなものも収録されている。私はそちらに疎いので、あまりピンと来なかったが。2012/8/19読了私的評価7/102012/08/20

ササーキー

0
おもしろい部分もあるけど、同じような愚痴めいたことが何度もでてきて、途中で飽きてしまいました。2018/10/26

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