内容説明
どこまでも飛んで行ける。想像力の翼があれば―。23世紀初頭、一人の研究者があるマシーンを発明した。それは人類の“願い”を叶えてくれる、神のような装置だった。彼の孫・ワタルはマシーンの試運転のために自分の願いを口にしたが…。文明とは、私たちの犯した過ちなのか。未来は閉ざされてしまうのか。爆笑問題・太田がいちばん描きたかった世界がここにある。類稀なる長編小説!
著者等紹介
太田光[オオタヒカリ]
1965(昭和40)年埼玉県生れ。日大芸術学部中退後、同級生だった田中裕二と’88年に爆笑問題結成。2010(平成22)年、初の小説『マボロシの鳥』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
40
文明とは何かを考えさせられます。過ちなのか。未来はうhsしなわれてしまうのか。当たり前が当たり前でないように思えました。2024/01/12
じゃむ
12
薄い。想像力というテーマに沿ったワードを余りにも多様し過ぎている。想像力というテーマで想像力を引き剥がしているような矛盾。想像力を根幹としておきながら何処かで聞いたことのある話の羅列。想像力というものに対する渇望。保持するものへの強烈な羨望。これは作者太田光のコンプレックスを書き綴ったものなのだろう。唯一、心に残ったのは「根拠」のくだり。身内への責任などがあって我々は根拠というものを蔑ろにすることが難しい。それでも大空へ飛び立つには頭をカラにする必要がある。飛ばないことに保身の根拠もないのだから。2017/11/30
TK
6
人類が生き延びようとする限り、文明が止まることはないのだろうと思うけど、いつか、限界が来るのでは?と思わないこともない。自分が生きている間に、そんなことは起きないのだろうけど、未来の人たちが、幸せに生きられる文明が、開発されていくことを願わずにはいられない。2017/11/05
kazahana*
4
自他共に認める文学好き、爆笑問題・太田光氏の長編小説。…とあらすじにはあったのだけど、読みはじめてちょっとびっくり。時代も、宇宙も、次元もばらばらな短い物語が、ひたすら羅列されていたからだ。しかし読み進めるうちに、点と点が繋がって線になるように、大きな物語が見えてきて、なるほど確かに長編だ、と納得。軽やかで読みやすく、童話的な一面もあり、しかしどこか哲学的。著者からのメッセージが溢れんばかりに伝わってきた。オリジナルとは何か。想像力の持つ力。文明とはなんだろう…。「未来はいつも、面白い」2017/11/07
22___pa
4
太田光の作品を読むのが初だったのではじめ身構えていたのですが、予想に反してとても柔らかく無邪気なお話で、とても面白かったです。この『文明の子』の中にはいくつもの名作と呼ばれる文学作品のエッセンスがちりばめられていて、それでもそれが押し付けでない柔らかさ、優しさで描かれているので、太田さんは本当に本が好きなのだなあ、と強く感じました。太田さんの処女小説である『マボロシの鳥』も是非読んでみようと思います。2017/10/13