新潮文庫
鉄塔 武蔵野線

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 306p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101383217
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

夏休みも半ばを過ぎたある日のこと。5年生の見晴は近所の鉄塔で番号札を見つける。その名は「武蔵野線75‐1」。新発見に胸を躍らせた見晴は、2歳下のアキラを誘い、武蔵野線を遡る。「オレたちは鉄塔を辿っていけば、絶対に秘密の原子力発電所まで行けるんだ」―未知の世界を探検する子供心のときめきを見事に描き出した新・冒険小説。第6回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

エンリケ

35
少年二人によるひと夏の冒険物語。送電線の鉄塔81基を自転車で遡って行くという無謀かつ無意味な道行き。しかし彼らは森や藪を突き進み、様々な困難に立ち向かう。読んでいるうちに彼らの行動が勇敢で崇高なものに思えて来る。文字通り汗と涙にまみれた行軍は日没に妨げられる。どうなるかと思っていたらその後も冒険は続く。大人から見れば怪しからん行動だろうが、子供にとっては人生の一大事。そんな童心を忘れて久しいが、この作品が思い出させてくれた。CMじゃ無いが、今の自分に攻めているかと問いかけたくなる。映画も是非観てみたい。2015/04/01

gelatin

17
★★★★ 春になると鉄塔が気になるのは、空を見上げることが増えるからだと思う。ずいぶん前に読んだこの本を再読するのもいつも春。どこに力点を置いて読んだらいいのか迷いながら読んだのに、鉄塔に対する愛と観察眼が強烈に刷り込まれてしまって、初読以降すっかり鉄塔に魅了された。映画化されているが、それは観ていない。少年の、筆圧の高い鉛筆の文字で書かれた日記のような文章が好きなのだ。2017/03/30

ふゆ

10
ふと読書会でこの本の話になって懐かしいなあと思ったところ、吉野朔実の書評漫画に出てきて、もう心に決めて何年かぶりに読みました。夏休みが明けたら転校しちゃう小学生男子のひと夏の冒険譚。鉄塔の番号を辿って行く、そのロマンが最後の最後でこう来たの?!子供の純真さ、かつてそんな子供だった大人の優しさと郷愁に5号機あたりから号泣です。2018/06/23

雪の行者山@加療リハビリ中

8
 「文学賞メッタ斬り」で知ってからずっと気になっていた作品です。最初は面白く読み始めたけれど、一気には読み終われませんでした。40番台くらいでちょっとしんどくなって、時間をおいてから読み進めましたがあとは一気に読み進めました。実は、『男鉄塔』『女鉄塔』の区別がまだよくわかってません。読み終わってから後ろに写真がたくさんついているのに気が付いたので、今度は写真と見比べながら読み直したい、そして『男鉄塔』『女鉄塔』の区別がちゃんとつくようになりたいものです。この話を読んでから、鉄塔の形や電柱のラベルが⇒2016/06/11

ハル

7
少年の日の、夏の終わりの、光溢れる時。所長からの手紙の所で泣きそうになった。胸の奥が熱い。2012/09/12

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/441748
  • ご注意事項

最近チェックした商品