内容説明
赤穂浪士を斬れ。“影”からの指令に総兵衛は苦悩する。喧嘩両成敗の原則に反する幕閣の命に義はあるのか。一方、狂犬の如く大黒屋に復讐心を燃やす隆円寺真悟は、柳生連也斎の庶子宗秋を首領に戴く剣客軍団を大和柳生に興した。軍団は徐々に東海道を下る。極秘裏に策動する浪士、迎え撃つ吉良・上杉家、陰日向に絡んでいく大黒屋…。祖伝夢想流の剛剣に義は在りや。明鏡止水の第二巻。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942(昭和17)年、北九州市出身。日大芸術学部卒。映画・テレビCMの撮影助手を経て、’75年より、カメラマン、ノンフィクションライターとして活躍。’76年『闘牛』を発表。’81年『闘牛士エル・コルドベス一九六九年の叛乱』でドキュメント・ファイル大賞を受賞。’87年、初の小説『殺戮の夏コンドルは翔ぶ』を発表。以降、多数の国際謀略小説、ミステリ小説を執筆。’99(平成11)年、初の時代小説『密命』を発表。以降、人気シリーズを立ち上げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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海猫
19
登場人物が相変わらず多いが前作で慣れていたのでだいぶ読みやすく思えた。忠臣蔵の外伝的な仕掛けがあるが大元の忠臣蔵について詳しくないのでちょっと損をした気分になる。まあ知らなくったって十分楽しめるんだけど。あと佐伯泰英の文体が合わないのか題材が良くても頭にすっと入ってこないのがもどかしい。2011/03/10
KAZOO
16
佐伯さんの本にしてはこのシリーズはあまりはかが行きません。主人公が江戸商人とは言いながらある程度裏での権力や富もあるからなのかもしれません。権力と権力の戦いのような感じがします。それに比較すると何もない浪人や十手持ちの主人公のほうが身近に感じるからかもしれません。まあもう少し読んでみようかと思っています。2014/06/10
kazu@十五夜読書会
11
<読メ登録以前に読了。>古着屋総兵衛影始末シリーズ第2弾。元禄十四年、大黒屋総兵衛に赤穂浪士を討ち果たせという“影”からの命が下った。総兵衛は神君家康の時代から、隠れ旗本として任務を果たすように命じられた鳶沢成元の六代目である。しかし、総兵衛は武家諸法度にある喧嘩両成敗に反する下知に納得がいかず、赤穂浪士討ち入りに助力することを決意する。立ちふさがるのは、柳沢吉保とその刺客たち、さらに“影”までも―。 「BOOK」データベースより。新潮文庫2011年1月28日購入。鳶沢一族の結束が見事。2012/09/02
オレンジ。
8
早やハマりそうな予感。今回は忠臣蔵や柳生が物語に入っていた。歴史があまり得意ではなく時代劇嫌いだった私が唯一好きなのが忠臣蔵。貞吉が赤穂浪士として活躍する姿を、知った人を見るように身近に感じた。総兵衛の想い人がおきぬでなくて幼馴染の娘だなんてなぜか違和感があった。佐伯さんは幼馴染がお好きなのね。2015/03/31
なかがわみやこ
7
先を知っててもワクワクする。新春長時間時代劇のような豪華、重厚、王道の決定版。私は船酔いするので、大番頭さんと薬草の手入れしたいです。2011/02/03