• ポイントキャンペーン

新潮文庫
暴力は親に向かう―すれ違う親と子への処方箋

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 344p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101375724
  • NDC分類 367.3
  • Cコード C0136

内容説明

母親の頭をバリカンで丸坊主にする、寝ている父親の背中に熱湯をかける、肋骨が折れるほど殴る…。「普通の家庭」の「おとなしかった子」が引き起こす深刻な事態は、増加の一途をたどる。なぜ子供たちは激しい暴力に訴えるのか。家庭という「密室」の中で親はどう対応すればよいのか。ニート、ひきこもりなど、1000件を超える相談にのってきた著者が示す、親と子を救う具体的対処法。

目次

第1章 激増する家庭内暴力(「助けてください。もう殺人事件が起きます」;包丁を手にとった息子 ほか)
第2章 奴隷化する親、暴君化する子供(家庭内暴力が起こる家庭は「普通の家庭」;暴力をふるうのも「普通の子」 ほか)
第3章 「普通の子」が暴力をふるう理由(家庭内暴力を起こすのは皆、普通の子;未来が見えないことへの不安 ほか)
第4章 「勝ち組教育」がすべての根源(親はみんな子供想い;本当の原因は親ではない ほか)
第5章 家庭内暴力とどう向き合うか(家庭内暴力を「自分の問題」として考える;起こった時にどうするかが大切 ほか)

著者等紹介

二神能基[フタガミノウキ]
1943(昭和18)年、韓国大田市生れ。NPO法人「ニュースタート事務局」代表。早稲田大学政治経済学部卒業。学習塾、幼稚園経営を経て、世界各地の教育プロジェクトに参画。早稲田大学講師、文部科学省、千葉県などの各種委員を歴任。’93(平成5)年から目的を喪失した若者をイタリアのトスカーナ地方の農園に預け、彼らの元気を取り戻そうとするプロジェクトを手がける。その後、千葉県でひきこもりや不登校、ニートの若者たちの再出発を支援するNPO法人「ニュースタート事務局」を設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じゅんつゆ

10
「母親はとうとう、息子の家から逃げ出してしまいました。息子はなんだか、心にぽっかりと穴があいたようなさみしさを感じているようでした。彼は【いつかお母さんが帰ってくる日のために】と、庭に花を植え始めたのです。一本、一本心を込め、母親の顔を思い浮かべながら、彼は毎日、休むことなく植えつづけたのです。 家を離れてから9か月。母親ははじめて家の様子を見に、戻りました。その母親を待っていたのは、花畑のように庭いっぱいに広がる、真赤なカーネーションでした。 改心したと思い家に戻った母親に対し、息子は…。」 怖すぎる。2015/02/27

ふたば

9
引き籠った子が親に壮絶な暴力をふるう。怖いのは、仲の悪い家庭での出来事ではなく、友達親子と言われる、普通以上に仲の良い家庭で起きることだという事。そして、密室で起きるという事。親の無言の期待が子に自分の進むべき道を考えさせない。他者から(そうと意識してなくとも)押し付けられた人生がとん挫したときに、その怒りはその相手に向かう。激しい暴力となって噴出する。子が自分の夢を持ち、将来を考え、その夢に突き進んだ時、たとえ失敗しても、挫折しても、そこからまた歩き出せる。親はただ見守り、そっとフォローするだけで良い。2019/08/18

うたまる

4
「子供を大人に育てるには、二人の親だけでは足りない」……子供の引きこもりや家庭内暴力を軸に考察する親子関係論。各事例を追ってみれば、今現在引きこもり真っ最中の家庭には有効な処方箋とは言えないかもしれない。とにかく現状を止めるのに精一杯で、事態はあまり好転していないから。しかし、これから子育てする親には示唆は多い。「家庭を開き第三者の助けを得ること」「子供時代の失敗が重要」「贅沢な体験ではなく、体験を贅沢に」。この辺を実践しているだけで大失敗は無さそうだ。ほとんどの親は、失敗してからそれを知るのだろうけど。2017/08/20

猫田シロ

3
他人事じゃないな、というのが感想。家族関係の問題に、第三者の力は不可欠であることを学んだ。それにしても、ひきこもったり家庭内暴力を振るったりする子の内面の解説が、私自身の辛かった時の心を実によく言い表していて、よく分かってるな、と思った。勝ち組路線にしがみつく心理とか。後は友達親子のあやうさも納得。親としての立場と責任を放棄し、子供の自主性を尊重するかのように見せかけて緩やかに束縛する。危険だな。でもきちんと親の仕事をすることも、大変なんだろうね。だからこそ、第三者の存在が重要なんだね。2019/09/30

しゃちべえ

3
仕事上の参考文献として読了(紹介書籍)。とはいえ、1人の母親として身につまされた部分もあり。故マリーザさんの「1人の人間を育てるのに、2人の大人(両親)だけじゃ足りない」には、非常に共感。まず親になって覚えることは、子どもがしたことに頭を下げることと、頼り上手になることかも。2012/05/03

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/384247
  • ご注意事項

最近チェックした商品