新潮文庫
あらためて教養とは

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  • サイズ 文庫判/ページ数 307p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101375519
  • NDC分類 002
  • Cコード C0110

内容説明

教養の原点―それは、モラルにあり。いかに幅広い知識や経験を身につけていても、人間としての「慎み」が欠けていては、真の意味での教養人ではないのです。ヨーロッパで生まれた教養教育がやがて日本に伝わり、大正教養主義や戦後民主主義教育によって移り変わってゆく過程をたどりながら、失われた「教養」の本質を再確認させてくれる、日本人必読の書。

目次

序章 教養の原点はモラルにあり
第1章 教養教育の誕生
第2章 知の世界への扉―古典語との出会い
第3章 日本の教養のゆくえ
第4章 大正教養人の時代―知的教養主義の伝統と継承
第5章 価値の大転換―戦後民主主義教育で失われたもの
第6章 いま、ふたたび教養論―規矩について
終章 私を「造った」書物たち
教養のためのしてはならない百箇条

著者等紹介

村上陽一郎[ムラカミヨウイチロウ]
1936(昭和11)年、東京生れ。東京理科大学大学院教授、東京大学名誉教授、国際基督教大学名誉教授。専門は科学史・科学哲学。’68年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

98
村上先生の授業を聞いているような感じにさせられました。教養学部の先生ということで、教養という言葉の持つ意味をその歴史から説いてくれています。前半が授業とすると、後半がエッセイ的な感じになってご自分の幼い時からの読んだ本などの紹介がなされています。私はこのような本は大好きです。手元に置いておきたい気がします。2018/09/27

Aster

64
教育というものは変わってしまった。今の大半の高校生がその時点では知的に精神的に成熟しているとは思えない。つまり広い視野を持って将来についてビジョンが持てるほどでは無いと思っている。その上で押し付けられたように文理を決め、大学に入ると専攻以外のことはしない。その上本も読まない。しかもその内の過半数が明確な理由もなく大学に入っている。こんな人間が大量に生産されている今の世の中、まるで消費社会に対する機微さえ持っておけばいいというところまで来ている。こんな批判は誠に僭越極まりないが、やはり思わずにはいられない。2020/05/14

中年サラリーマン

14
教養について著者の戦後教育制と父の旧制時代とを対比させて語る。一例として教育という制度や学生の意識がどのように変化したのかという一例を知る意味では面白くあった。あと、教養に関する著者の持論もあるがここでは触れない。著者の個人的考えだからだ。まぁ、教養というものを客観的に語ることができるかどうかがよく分からないのだが。2014/03/29

Taichi Ishihara

11
読了。林修先生の尊敬する先生。教養教育の重要さを話す本。日本は専門を決める時期が早過ぎる。たしかに日本人では即戦力を求めるあまり「専門」を18歳ぐらいで決めさせられる。…だが実際には、そんな専門なんて糞食らえで、たった4年間で専門が決定づけられるぐらいの勉強にはなってない。大学院で専門を変えるのも大半の大学では簡単。だから思う存分「自分自身」のパフォーマンスを強化できる学部(本当の意味で学際的教養的な)や、学部なぞに頼らず自分で強化していっている人が強いのは当然。2014/08/14

赤い熊熊

10
「教養」と口にする者ほど教養を欠くようです。もちろん著者は真の意味での教養人です。2020/11/09

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