新潮文庫<br> 微熱少年

新潮文庫
微熱少年

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 187p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784101373041
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

“やあ暗闇、ぼくの旧い友だち、また君と話をしに来てしまったよ”16ばんめの夏、平凡な高校生の「ぼく」は、バンド仲間といっしょに、ビーチボーイズのヒットナンバーが流れる海辺にやってきた。年上の少女との出会い、ささやかな冒険、そして淡くはかない恋。60年代に高校時代を過ごした少年たちの「微熱」の日々をリリカルなタッチで描く、都会の吟遊詩人・松本隆の処女長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

エドワード

24
松本隆さんは私には神様である。太田裕美と松田聖子の歌の作詞家!この人無くして私の十代は無い。青春の甘さと苦さ、ロマンティシズム、都会の夢と孤独を彼の詩から教えられたと言って過言ではない。松本さんは正真正銘の東京人だ。慶応出身で、港区と東横線が頻繁に出て来る少しスノッブな物語。私のたどった東京と不思議と一致する。「狭い部屋に、本箱と机とオーディオとベッドが、ぎっしりと詰め込まれていた。」という一文は私の部屋そのもの。<熱血>ではない、<微熱>少年というのも私そのもの。聴きなれた会話の一つ一つが心にしみる。2014/05/07

nadaha

4
松本隆がビートルズに沸く1960年代の大学生を描く一冊。作詞家になる前にはバンドをやっていただけあってやたらにバンドの内情みたいなものはリアル。優子とリリーという二人の女性を横軸に話が進むが、単純にモテる主人公を描くわけではなく、どちらの女性と付き合っても結局自分よりも社会的ステータスの上の本命がいて、一番にはなれずに終わるのが悲しい。ビートルズのコンサートのくだりはつらすぎて涙が出そうになった。松本隆が書いた小説なのにハッピーエンドでない辺りが洒落が効いてて面白い。2018/05/02

よじ

3
実家にあった一冊。紡がれた言葉がとても美しく、そしてストーリーは切ない。 ボクの生きているこの今に、このミュージシャンが生きていて、活動していることの幸せを感じることが多々ある。 でも、もしもビートルズが活動している時間に生きていたら、ボクはどんな生活をして、どんな人と出会い、どんな生き方をしていただろう?と思う。 もちろんビートルズのCDは持ってるし、何回も聴いた。ただビートルズの活躍していた時代に生きていなかったことが残念だという気持ちがあるのだ。 nowhereman🎵2019/11/10

たくみん

1
比喩にしても、表現にしても、爽やかでさらりと流れて、気味が良いくらい自分に取り込まれていきました。でも、やっぱり最後のシーンです。引き込まれました。2018/08/11

edoanvil

1
時代感と土地感どちらも郊外バブル産み落とし組には汲みきれないのが残念。昭和の埃っぽさがある学生の物語は下町発信という勝手なのイメージがあるが、やっぱりcityboyの方が動きが洗練している。2018/08/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/455775
  • ご注意事項

最近チェックした商品