内容説明
あたしってなんでこんな生きてるだけで疲れるのかなあ。25歳の寧子は、津奈木と同棲して三年になる。鬱から来る過眠症で引きこもり気味の生活に割り込んできたのは、津奈木の元恋人。その女は寧子を追い出すため、執拗に自立を迫るが…。誰かに分かってほしい、そんな願いが届きにくい時代の、新しい“愛”の姿。芥川賞候補の表題作の他、その前日譚である短編「あの明け方の」を収録。
著者等紹介
本谷有希子[モトヤユキコ]
1979(昭和54)年石川県生れ。高校卒業後上京し、2000(平成12)年「劇団、本谷有希子」を旗揚げ。主宰として作・演出を手掛ける。小説家としても活動を開始し、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」が三島由紀夫賞候補、「生きてるだけで、愛。」は同賞および芥川賞候補となる。’06年上演の戯曲「遭難、」で鶴屋南北戯曲賞を最年少で受賞し、’08年の上演作「幸せ最高ありがとうマジで!」では、岸田國士戯曲賞を受賞した。また、映画「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」は’07年にカンヌ国際映画祭批評家週間に正式出品された。そのほか、雑誌でのエッセイ執筆等、多方面で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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