内容説明
七人もの人間が次々に殺されながら、一人の少女が警察に保護されるまで、その事件は闇の中に沈んでいた―。明るい人柄と巧みな弁舌で他人の家庭に入り込み、一家全員を監禁虐待によって奴隷同然にし、さらには恐怖感から家族同士を殺し合わせる。まさに鬼畜の所業を為した天才殺人鬼・松永太。人を喰らい続けた男の半生と戦慄すべき凶行の全貌を徹底取材。渾身の犯罪ノンフィクション。
目次
第1章 十七歳の少女
第2章 松永太と緒方純子
第3章 一人目
第4章 緒方一家
第5章 二人、三人、四人目
第6章 五人、六人、七人目
第7章 松永太の話
第8章 消される二人
著者等紹介
豊田正義[トヨダマサヨシ]
1966(昭和41)年、東京生れ。早稲田大学第一文学部卒。ニューヨークの日系誌記者を経て、フリーのノンフィクションライターとなる。犯罪事件から家族の問題まで取材対象は幅広く、人物評伝も手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱れ読み本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
299
鬼畜···いやもはや人ではない悪魔。大切な読友さんに教えて頂いた本書、犯人に殺意を覚えるとのことでした。とんでもない!殺意なんてとんでもない!殺意を抱くなら少なくとも相手に近づく勇気も必要。でもこれは次元を越えてる。逃げないと、逃げのびないと殺される!恐怖、凄まじい恐怖しかない!気付くと眉間と口元を歪めながら読んでた!同じ状況に襲われ一体私達の誰が逃げ出せる?無理、きっと無理!北九州監禁連続殺人事件。1つだけ言える事。話の上手い人の『上手い話』には近づくな!触れるな!触れると同時に抜けられなくなる‼️🙇2019/04/28
遥かなる想い
273
2002年に北九州小倉で発覚した監禁・殺人事件を克明に記録したノンフィクション。主犯の男に命じられるままに家族が殺しあったこの事件は正直読んでいて気分が悪くなるほどであった。著者は拷問と虐待でマインドコントロールされた女性加害者に対してやや同情的であるが、その状況下での心理状態はわからないにしても、その場でおこなわれた通電などの拷問は凄惨を極めており、読後感はよくない2013/06/09
しんごろ
261
誰だ~!これを俺にすすめたのは、どこのどいつだ~。しんどい、とにかくしんどい、しんどいわ~!そしていかれてる!第3章~第6章がとくにしんどい!読んでて、何度、ウワッとなって,ギャッとなって本から目を背けたか…。通電怖いわ~!こんな事件が実際にあったなんて信じられない。この本読んで、真似して犯罪を犯したら駄目だぞ~。後味、読後感、悪すぎ!ただ、どうしても読みたくなって、読んでてギブアップする方は、あとがきと解説は読んだ方がいいような気がします。あくまで気がするだけね。2018/05/08
ミカママ
217
途中からはところどころ気持ち悪くなりながらも、読了。読み終わって、どよよ~んと暗澹とすること請け合いな作品。こういう事件があったことはネット記事の片隅で読んでいたものの。なぜなんだろう、どうしてこうなるまで・・・と言う気持ちが最後まで消えず。こういう先天的な嘘つき(ただしカリスマ性あり)の主人公みたいな人って、いるんだろうなぁ。2014/12/17
nobby
186
北九州監禁殺人事件については『殺し合う家族』→『ケモノの城』と読んでいたが、ノンフィクションとしての今作が最も冷静に凶悪を感じられたのかもしれない…“通電”という残酷極まりない加虐を繰り返し殺戮し合う様は、小説読了から3年近く経って尚、ほぼ鮮明な記憶として残っていた。とにかく松永の自らの手は汚さず家族同士の猜疑から一家破滅に導いた手腕、飄々と嘘八百を並べて人を欺き、裁判中でさえ頑なに責任回避する呆れた供述に身震い覚えるばかり…高校の卒業アルバムを見た鬼畜による一本の電話が全ての発端というのがまた恐ろしい…2019/07/05