新潮文庫
「普天間」交渉秘録

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  • サイズ 文庫判/ページ数 472p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101366616
  • NDC分類 312.199
  • Cコード C0195

出版社内容情報

詳細な日記から明かされる沖縄問題の真実。「引き延ばし」「二枚舌」、不実なのは誰か? 元事務方トップが明かす、交渉の舞台裏。

元防衛事務次官が綴った膨大な量の日記。詳細に記された自身や交渉相手の発言内容、行動から浮かび上がるのは、一向に進展をみせない「普天間問題」の核心へと迫る、第一級の資料であった。霞が関、永田町、アメリカ、そして沖縄。解決を先延ばしにしているのは、誰なのか――。互いの思惑が錯綜する交渉の、最前線を見つめた著者が明かす、国民が知ることのない基地問題の真実。

内容説明

元防衛事務次官が綴った膨大な量の日記。詳細に記された自身や交渉相手の発言内容、行動から浮かび上がるのは、一向に進展をみせない「普天間問題」の真相であった。霞が関、永田町、アメリカ、そして沖縄。手練手管の「引き延ばし」「二枚舌」で解決を妨げているのは、誰なのか―。互いの思惑が錯綜する交渉の、最前線を見つめた著者が明かす、国民に隠された基地問題のすべて。

目次

第1章 在日米軍再編へ
第2章 「引き延ばし」と「二枚舌」
第3章 十年の時を経て
第4章 防衛庁の悲願
第5章 不実なのは誰なのか
第6章 普天間はどこへ行く
将来に向けての日本の防衛

著者等紹介

守屋武昌[モリヤタケマサ]
1944(昭和19)年、宮城県塩竃市生れ。東北大学法学部卒。’71年、防衛庁入庁。装備局航空機課長(FS‐X担当)、長官官房広報課長(カンボジアPKOの広報担当)、防衛局防衛政策課長(阪神淡路大震災対応)などを経て、’96(平成8)年、内閣審議官として普天間問題に係わる。長官官房長、防衛局長を務めた後、2003年、防衛事務次官。’07年8月に防衛省を退職した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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hatayan

35
2012年刊。防衛庁の事務方のトップが普天間基地の移設、防衛庁から防衛省への昇格に取り組んだ舞台裏を綴ったもの。 作中では政権幹部や利害関係者との密談の内容を暴露。煮え切らず態度を明らかにしない沖縄県知事、少しでも有利な条件を引き出そうとする自治体幹部、不祥事が連続して起こる自衛隊内部、独断専行して果ては失言で省内をかき回す防衛大臣。自分の意志に反して周りに振り回されることへの憤懣やるかたない心情が行間からにじみ出ます。 新聞報道では見えてこない沖縄の事情や政治家の考え方に触れることのできる一冊です。2019/09/23

壱萬参仟縁

27
2010年初出。 冒頭の米軍基地の地図をみると、 思いやり予算のことを思わざるを得ない。 段階的軍縮が理想なのに、それすら指摘されないのは 一国民としてはがっかりさせられる。 10年前ぐらいの交渉内容が冒頭で書かれている。 移転ではなく、総量規制の交渉ができなかったのか。 当時は小泉内閣であった。 小泉氏は、「住民運動は怖いんだよ。執念深い」(83頁)。 そりゃそうだろ。生存権がかかっているんだよ。 憲法を守らなければいかんでしょ。   2014/03/27

Porco

16
辺野古が揉めに揉めているので、どういう経緯でことが進んできたのか知りたくて読みました。著者が汚職で捕まった人だということが引っかかる人もいるかもしれませんが。普天間返還は日米政府も地元自治体も周辺住民も合意しているのに、その履行がなかなか進まない。その原因となっている複雑な内情がうかがえました。「自分は正論を言っているのに、あちこちが勝手なことを言って邪魔をする」という基本スタンスがあるので割り引いて読まねばならなうでしょうが、非常に興味深い本でした。こういうことを公にして記録を残すことは重要。2016/01/23

ひろし

9
普天間移設に関する生々しい交渉過程が描かれている。沖縄の二枚舌に対する苛立ちや方針のぶれる政治家とのやりとりなど、政治過程というのはこんなにも進まないものかと思う。国民、住民の利益以上に政争の具にされて、普天間の危険な状態が続いている事実は忘れてはならない。マスコミが報道しなかったとしても。この過程を見ていると、ケビン・メアが「沖縄はたかりの名人」と言ったとされるのも頷けるなぁ。2013/01/12

モモのすけ

8
本当は日本の国益を最も真剣に考えていた人だったのではないか。マスコミはもとより沖縄も信じられない。『政府は沖縄に悪い癖をつけてしまったね。何も進まなくてもカネをやるという(略)』2012/09/18

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