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新潮文庫
無国籍

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  • サイズ 文庫判/ページ数 371p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101360218
  • NDC分類 329.91
  • Cコード C0195

内容説明

日中国交回復により、「台湾籍」が認められなくなった結果、「無国籍」という身分を選んだ人たちがいた。そんな家庭に生まれ、横浜中華街で育った著者は、ある日、台湾への入国も日本への帰国もできず、空港から出られない衝撃的な経験をする。国籍とは?民族とは?アイデンティティの基盤とは何か?国家と家族の歴史に向き合い、深く掘り下げた体験的ノンフィクション。

目次

第1章 中華街のララ
第2章 日本と中国の狭間に生きる
第3章 ニッポンになじめない
第4章 世界へ出たい
第5章 香港へ、アメリカへ
第6章 無国籍について知りたい
第7章 アジアの人々と無国籍
第8章 帰化を申請する
第9章 海外の無国籍

著者等紹介

陳天璽[チンテンジ]
1971(昭和46)年、横浜中華街生れ。国立民族学博物館准教授。2000(平成12)年、筑波大学大学院国際政治経済学研究科修了。1994年より1年間、香港中文大学に留学。’97年~2000年、ハーバード大学フェアバンクセンター東アジア研究所・同大学法学部東アジア法律研究所客員研究員。日本学術振興会特別研究員などを経て現職。華僑・華人問題をはじめ、移民・マイノリティ問題、国境・国籍問題に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

37
国家間の事情によって国籍を失う人々がいて、その人たちは無国籍者となって様々権利を失う。なんと理不尽なと思っても、一庶民に出来ることはない。日本人の両親のもと日本で産まれ、何の感慨もなくパスポートを手にしていました。異国の地で何か起こっても日本国が護ってくれるとは思えないから自分のことは自分で護らなくては・・なんて、おこがましかった。無条件に護られていることの多さに気付かされました。国家間の問題ではなく、個人的な問題で無国籍となる人々。罪のない子供達だけでも何とかなってほしい。2017/09/26

Carlos

26
子供がハーフだから考えさせられることもあった。著者は無国籍者にこだわりはあるが結局帰化した。また文中の無国籍者も国籍がないことに苦労している。どうしても取れないなら別として、ナショナルアイデンティティよりも、将来のオプション優先で、取れる国籍は取っておくべきと改めて思った。2020/01/01

とーこ

7
国家に、法制度に翻弄される無国籍の人々。無国籍に経験から帰化までを赤裸々に綴った陳天璽先生は本当に勇気のある方だと思う!無国籍であることで不利益を被りながらも、国と制度の狭間で自らのアイデンティティに葛藤する姿には本当に胸を打たれた。あとがきにあるように、人の拠り所は国家間の利害や制度を超えた、そばにいる人たちとの繋がりや愛であるべきだと思う。無国籍ということと国への帰属意識について考えさせられる一冊でした!2023/06/20

すっち

4
たまたま図書館で見つけて読んだ、出会えて良かったと思える一冊。 日本にも、そして世界にも無国籍の人たちは存在しているけどその存在は中々知られていない。変動しうる国籍や一つの国家にアイデンティティを求めるよりも変わることのない部分にアイデンティティを見出そうという筆者の考えは自分の人生にも重なってすごく共感。 そういう国籍や国家におけるマイノリティは物心ついた時から人間と国家との関係について人よりも深く考える機会を与えられている。2013/05/02

taykash

3
実は、陳先生は私の先生です。授業を受けてから無国籍の問題について興味を持ちなりました。 この本は先生の話だけではなく、世界中の無国籍者の話です。先生と会う前に無国籍者について何も知りませんでした。そういう無知な人は多いと思います。この本は色んなな情報が入ってる上で、分かりやすくて面白いです。読んでよかった。2015/08/27

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