出版社内容情報
天誅を気取り、裏社会の頭衆を血祭りに上げる「閻魔組」。善人長屋の面々は裏稼業の技を尽し、その正体を暴けるか。本格時代小説。
周囲から「善人長屋」と呼ばれる千七長屋。差配も店子も表向きは堅気のお人好し揃いだが、実は裏稼業を営む悪党だらけ。ある日、「閻魔組」と名乗る三人組によって裏社会の頭衆が次々に襲われ、惨殺される事件が発生する。天誅を気取る「閻魔組」の暗躍は、他人事として見過ごせない。長屋を探る同心の目を潜り、裏稼業の技を尽くした探索は奴らの正体を暴けるか。人情溢れる時代小説。
内容説明
周囲から「善人長屋」と呼ばれる千七長屋。差配も店子も表向きは堅気のお人好し揃いだが、実は裏稼業を営む悪党だらけ。ある日、「閻魔組」と名乗る三人組によって裏社会の頭衆が次々に襲われ、惨殺される事件が発生する。天誅を気取る「閻魔組」の暗躍は、他人事として見過ごせない。長屋を探る同心の目を潜り、裏稼業の技を尽くした探索は奴らの正体を暴けるか。人情溢れる時代小説。
著者等紹介
西條奈加[サイジョウナカ]
1964(昭和39)年北海道生れ。都内英語専門学校卒業。2005(平成17)年、『金春屋ゴメス』で「日本ファンタジーノベル大賞」大賞を受賞。’12年『涅槃の雪』で中山義秀文学賞、’15年『まるまるの毯』で吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
119
シリーズ2の一冊。今回はがっつり長編がうれしかった。そしてお縫ちゃんの淡い恋心も盛り込まれた巻。相変わらず加助さんの善人ぶりが炸裂する善人長屋にもたらされたのは正義ヅラした「閻魔組」の非道な行い。もちろん黙っちゃいられない善人長屋チーム。お得意の裏稼業あれこれで徐々に黒幕の正体に迫っていく過程といい、そこに重なるお縫ちゃんの恋心といい、危うい綱渡りのようなドキハラ展開から目が離せなかった。文さんが今回は一番キラリと光ってたな。恋心は厄介、大人の階段昇る時はせつない。でも長屋チームはいつだってあったかい。2025/01/25
ぶち
97
"閻魔の世直し"とは....こんな世直しなら御免こうむりたいです。悪党成敗すると言っても、法に触れてはだめです。ただの人殺しと変りありません。自分の不遇に対する憂さ晴らしに過ぎません。そんな一味があのような結末になったことは、当然でしょうね。それにしても、お縫ちゃんの初恋(?)は、切なかった。必死の文さんも男として見直しちゃいました。2022/08/07
ふう
89
シリーズの一作目を読んだのは何と10年前。ずいぶん時間がたってしまいましたが、長屋の人々の暮らしは表も裏もそれなりに穏やかに続いていたようです。ところが、その穏やかさを脅かすできごとが起こり、二作目では裏の部分がかなり深い闇へと入り込んでいきました。そこに男女の切ない恋心も絡み合って、これが正解、これですっきり、とはいかない人の世の有りようを考えさせられます。人の善と悪との分かれ道を作るのは何なのでしょうか。2022/10/13
チーママ
88
このシリーズはクセになる。前作の出来ばえに味をしめてワクワクしながらニ巻目を手に取ったが、闇の深い話ながら今作も期待を裏切らない面白さ。ある日、見かけない同心の訪問に不安を覚えたお縫は、自分らの裏稼業に気づいたかも知れぬ同心の正体を調べてほしいと髪結いの巳助に頼む。いっぽう世間では「閻魔組」を名乗る者たちの残虐な世直しが行われていて…。今回はお縫の恋心が暴走。向こう見ずなお縫の行動に手汗が止まらなくなった。それにしても黒幕がアイツだったとは。今後の加助の行動が気になる。2025/01/11
papako
86
善人長屋続編。長編でした。世直し気取りの閻魔組に、江戸の裏稼業を牛耳りまとめ上げる大物の頭たちが次々に殺される。夜叉坊主が裏で糸を引いており、善人長屋の面々が腰をあげる!そこにお縫の初恋が絡まって、なかなかハラハラさせられました。最後まで初恋相手の白坂長門が閻魔組だと思わせられたけど、きっと違う!と信じて読みました。お縫の初恋は残念だったけど、文さんとの関係も少し変わるのでは?夜叉坊主がいなくなったんだから、加助は奥さんと暮らせないの?うん、じんわりしました。2021/04/30
-
- 和書
- 夕映え天使 新潮文庫