新潮文庫
恋愛偏愛美術館

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  • サイズ 文庫判/ページ数 286p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101355429
  • NDC分類 723.3
  • Cコード C0170

出版社内容情報

略奪愛、異常性愛、腐れ縁……。芸術家による様々な恋愛、苦悩、葛藤。それぞれの人生模様、作品が織り成す華麗な物語を紹介。

略奪愛、異常性愛、腐れ縁……。芸術家による様々な恋愛、苦悩、葛藤。それを経て生まれる名作の数々。ピカソはなぜ愛人を次々と作り、ハーレムを構えたのか。ロダンとカミーユの宿命的な愛の行方は。なぜムンクの作品は不安に満ちているのか。それぞれの人生模様、作品が織り成す華麗な物語を、分かりやすく紹介する美術案内。『恋愛美術館』改題。

内容説明

純愛、悲愛狂恋、腐れ縁…。芸術家による様々な恋愛、苦悩、葛藤。それらを経て生まれる名作の数々。ピカソはなぜ愛人を次々と作り、ハーレムを構えたのか。ロダンとカミーユの宿命的な愛の行方は。なぜムンクの作品は不安に満ちているのか。それぞれの人生模様、作品が織り成す華麗な物語を、分かりやすく紹介する美術案内。

目次

ピカソ 性の修羅、愛の地獄―死を目前にした自画像が見ていたもの
モディリアーニ 悲恋の記念碑―瞳を描かぬ肖像画に画家が託したもの
ジェローム 芸術、それは美神との恋―印象派の天敵が描き上げた神話的接吻の名場面
ドガ 夜明けのカフェ、不幸の居心地―カメラ・アイがとらえた都市恋愛のなれの果て
ダンテとベアトリーチェ 忘れ得ぬ女―詩聖が永遠の恋人を見たフィレンツェの街角
マネとモネ 妻の面影、日傘の恋―妻を亡くした画家が顔を描かなくなった理由
ルノワール 芸術と青春の聖地―動かぬ指に筆を縛りつけた老巨匠の初恋
ムンク 吸血鬼、暗黒の恋―死者と生きていた画家の性愛のトラウマ
カミーユ・クローデル 狂恋の門―ロダンと若き愛人の愛憎のスペクタクル
モンマルトルの夜会 ミューズの涙―破壊の王ピカソが創造の女神に出会う時
モンパルナスの娘 愛の墓碑銘―偽りのモディリアーニ伝説が正される時

著者等紹介

西岡文彦[ニシオカフミヒコ]
1952(昭和27)年生れ。多摩美術大学教授。伝統版画技法「合羽刷」の数少ない継承者。日本版画協会、国展で新人賞受賞後、雑誌「遊」の表紙絵担当を機に出版の分野でも活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

64
ピカソとロダンが最低男を競っている。 目新しいことはなかったけれど、まとめて読むとそれなりに面白い。カミーユ・クローデルはロダンより才能があったらしい。写真で見てもそう思う。イザベル・アジャーニが映画ではまり役だった。アカデミズムの権化、ジェロームが結構好き2023/09/21

yumiko

57
文学もアートも音楽も、個人の主観で自由に楽しむもの。それでも良き師の導きや優れた解説に出会うことで、より深い理解や感動を得られたり、新しい見方や感じ方に目を開かされることがある。この作品は私にとってそんな嬉しい出会いとも言える一冊。数々の名作に隠された愛のドラマは息苦しい程に濃密で、それだけで心揺さぶる物語。ピカソにムンクにモディリアニ…これまで多くの作品に触れてきた画家の愛の遍歴を知ることで、また違った鑑賞眼を得られたように思う。惜しむらくは文庫化の際の改題。前のままで十分だったように思うけれど。2015/10/20

瀧ながれ

31
ピカソやロダンやモディリアーニなど、よく知られた西洋の画家たちの、恋がうまれたときと消えたときを、描かれた作品とつなげながら語る。自分の想いに正直というか怖いものなしというか、芸術家たちはどうしてこんなに情熱的なのか、となかばあきれて読んでいたら、終盤の「芸術家の恋人を、創作に必要な霊感を与えてくれるミューズとみなす感覚は、(略)その恋人がミューズとしての霊験を失ってしまえば、新たなミューズに席を譲るべきとする暗黙の前提をも含んでいる。」という一文で腑に落ちた。そういう人だから、芸術家で在れるのだろう。2015/09/10

kaori

30
様々な名作を創り出した芸術家たち。その作品を通して、彼らが作品に込めた愛や憎しみ、葛藤などの人生模様を解説。ピカソやモディリアーニ、ロダンなど皆それぞれ興味深かったが、個人的には大好きなジャン=レオン・ジェロームについて書かれていたのが嬉しかった。彼は印象派を否定したアカデミズムの重鎮だったからなのか、本書まで掘り下げて書かれているものには今まで出会えなかったので、それだけでも大いに満足の一冊になった。2015/09/25

紅香

20
近代。機械が神秘を追放し、市民が王を処刑した。教会と王権が地に堕ちた時、人は自身で道を見出す他ない孤独さを背負うことになる。近代からの絵画はその背景、ことに何を崇拝し、何に絶望したかを知ることで絵の見方が変わる。作品のシンパシーに触れれば、それは形を持った悲哀や歓喜が描かれていたことを知る。知らなければそれは壁紙と対峙してることと同じ。作品は彼らの一部を切り取ったものと改めて勉強になった。カミーユの魂に寄り添いたくなる。その霊感に伝播し次々に人々に共鳴し、作品が生まれていく過程に神秘さと奇跡を感じる。2023/01/07

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