内容説明
「一寸先は闇」なのである。何が起こるかわからない。世の習いはそうである。ところが、いつでもひとは「世間知らずの高枕」。一朝有事の際には思い出すことになるあれこれも、土壇場までは知らんぷり。そして、いっとき思い立ち、枕をはずして寝るものの、すぐさま忘れてしまうのだ。浮世を観察して幾星霜、よくぞいってくれました。著者ならではの切り口が冴える名物コラム150編を収録。
目次
初手から怪しいリクルート
初手から怪しいリクルート(承前)
歯にきぬ着せぬというけれど
西洋人になりたいのだ
またひとり明治の人逝く
もう行くまいとは思えども
三十年前の「ベルト通し」
いでよ入歯評論
安物の正義売物の正義
いでよホテル評論〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
24
「人生は短く本は多い。新しい本は古い本(古典)を読むのを邪魔するために出る。新しい本は出すぎである。およそ本になるほどのものは全部本になって、今は本にしてはならないものまで本にする。」2015/05/31
ダイキ
1
「老人はむかし自分は戦争の渦中にあったから、戦争を経験したというが怪しい。その渦中にあっても人は多く経験しない。経験はついに才能の一種か。」〈日本へ帰れば元の木阿弥〉2018/08/19
小僧武士
0
『まじめ人間はまじめに考えすぎる。日本はハル・ノートを受諾すればよかったと今にして思われる。承知して履行しないのである。催促されたら言を左右にして少し撤兵して時をかせぐ。どうせ国際情勢だものそのうち変わる。』2013/05/02
garyou
0
山本夏彦を読むときは安心したいとき。「世の中をこんな風に見てもいいんだ」「かういふ見方もあるんだ」と思ひたいとき。2012/04/18
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- 和書
- ある牙彫師の光芒