内容説明
先生、あのときは、すみませんでした―。授業そっちのけで夢を追いかけた先生。一人の生徒を好きになれなかった先生。厳しくすることでしか教え子に向き合えなかった先生。そして、そんな彼らに反発した生徒たち。けれど、オトナになればきっとわかる、あのとき、先生が教えてくれたこと。ほろ苦さとともに深く胸に染みいる、教師と生徒をめぐる六つの物語。
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読書素人本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
262
角川書店の編集者から作家になった重松清がなぜ、これほど学校の先生のことを詳しく、親しみを持っているのか分からなかった。よい面も、悪い面も描写している。「白髪のニール」物理の富田先生のニールヤング好きのギターの練習。「ドロップスは神様の涙」の保健室のヒデコ先生の規則にないドロップスをくれること。どこからそんな話題が出てくるのか不思議だった。「早稲田大学教育学部国語国文学科卒」とのこと。知り合いに先生が多いのかも。なんで先生にならなかったのだろう。今からでも遅くないかも。「気をつけ、礼」の生徒は著者?2013/07/01
zero1
189
先生も人間。だから嫌いな生徒もいるし、時には体罰をしてしまう。本書は重松らしく先生たちを表現している。生徒にギターを教えてくれという物理教師は年齢を重ねることの意味を教えてくれた。怖いけど頼りになる保健室の先生。才能のない自称画家。野球部の鬼監督。ギャンブルにのめりこむ教師も。小学校教師が生徒を嫌う「にんじん」は読んでいて痛かった。担任から嫌われた生徒は、転校しない限り一年間逃げようがない。あとがきで重松は、後にどんな作家といわれるか述べている。重松は少年の心を忘れず、惨めなオヤジも描ける作家。2018/11/24
kanegon69@凍結中
165
一番心に染みたのは「ドロップスは神さまの涙」。いじめにあう少女と慢性疾患のある少年の保健室での物語。いじめだとは認めたくない気持ち、どうにか過ぎ去って欲しい気持ち、そして怖い保健のおばさん先生だと思っていた人が、本当は一番状況をわかってくれているありがたみ、本当にじわーっと半泣きになってしまいました。「白髪のニール」もよかったなぁ。歳を重ねて、当時の先生の年齢より上になっているって不思議な感覚。歳を重ねたからこそ、当時わけのわかんねぇこと言ってた先生の気持ちがわかるなんて、時間を超えたロマンを感じます。 2019/06/24
にいにい
162
過去と時間経過した今の先生と生徒との関係を綴った6篇の短編集。親じゃないけど密接に関わる大人。先生も完璧ではない。でも、生徒にとって大きな存在。先生って何を教えるべきなんだろう?人生の糧?生徒との出会いも偶然なのに、人生を変える程の恩師いるのかな?決して無くなりはしない関係。懐かしく、少し寂しく、時が進むこと、生きることをやさしく包みこむ物語群。「泣くな赤鬼」泣いちゃった。「ドロップスの唄」すっかり忘れてた。「にんじん」が印象的。これが先生!?という腹立たしさ。でも、伊藤君が先生になった事で救われた。2015/07/24
chiru
150
こういう先生いたいた‼と懐かしくなる、先生が主役の6つの物語。『ドロップスは神さまの涙』が好き。いじめに傷つく小5女子と難病の小1男子にあえて厳しく接する保健の先生の、二人を見守る姿に胸が温められる。『泣くな赤鬼』は先生の「俺の生徒になってくれて、俺と出会ってくれてありがとう」に涙…💧 (人生のどのタイミングで、誰とどんな形で出会うかは重要だけど”そばにいて素直になれる人”との出会いが一番大切)だと教えてくれた先生を思い出す。始まりは“先生と生徒” でも同じ“人間と人間”なんだよねって思いました! ★42020/04/21
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