内容説明
小説家の越智さんは貧しく生まれ苦労して育ち、長じて文学の道に迷い込む。以来、勉励二十年。妻と高校生の息子二人の生活にも多少の余裕が生まれてきた。子供には無理をしてでも一流品に親しませ、揃って酒を飲み歩き、いそいそと息子のガール・フレンドを招いてみる…。敗戦の痛手から立ち直り始めた昭和二十年代後半、「理想の家族像」を描いて大ブームを巻き起こした記念碑的作品。
著者等紹介
林房雄[ハヤシフサオ]
1903‐1975。大分市生れ。県立大分中学、五高を経て東大法科中退。東大在学中には新人会に所属、中野重治らとマルクス主義芸術研究会を指導するなど学生運動に傾倒したが、1936(昭和11)年にプロレタリア作家廃業を宣言。以降、天皇制護持の立場を明らかにし、戦後は占領軍から追放処分を受けた。後に『息子の青春』などでベストセラー作家になる一方、日本の近代史像を描き直す『大東亜戦争肯定論』などの著作でも注目を集めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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