新潮文庫<br> 会長はなぜ自殺したか―金融腐敗=呪縛の検証

新潮文庫
会長はなぜ自殺したか―金融腐敗=呪縛の検証

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  • サイズ 文庫判/ページ数 330p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101348315
  • NDC分類 338.21
  • Cコード C0195

内容説明

証券会社による損失補填の発覚に端を発した金融不祥事の嵐は、銀行、大蔵省から政界にまで及んだ。その渦中で、第一勧業銀行の宮崎邦次元会長、新井将敬代議士をはじめ6名が自殺に追い込まれていった―。彼らを追い詰めたものは、いったい何だったのか。政・官・金融界の癒着、「総会屋」という日本独特の存在など、日本企業社会の歪みを徹底的に暴いた記念碑的ルポルタージュ。

目次

第1章 癒着の系譜(本店捜索;三十一階の引き継ぎ ほか)
第2章 発覚と混迷(「ブツに聞け」;迷走 ほか)
第3章 会長はなぜ死んだか(責任のとりかた;葉隠の国で ほか)
第4章 腐蝕の連鎖(MOF担の「常識」;天の声 ほか)
第5章 権力の誘惑(被疑者死亡;証券族の呪縛 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

31
政官財の悪しき慣習に驚きは無い。問題なのは、浄化作用の効用と、過去の事件の齎した先入観。巻末『金融関連事件判決一覧』を見ると、都銀は勧銀のみ?!そんな訳はなかろう・・・。一方、日興証券事件を振り返り、日興証券と野村證券の対応の違いの根底にあるものとは何か。結局、リーダーの資質という気がしてならない。少なくとも、正義は負けない世の中であって欲しい。小池氏の”嗅覚”が、ドラマのようで怖さをも感じさせる。2015/01/29

しーふぉ

23
高杉良の小説のモデルのノンフィクション版。総会屋と銀行、政治家と証券会社、銀行と官僚の癒着し構図が生々しい。トップの覚悟と指針が下の人間には災いとなるか災いを逃れるかの分かれ目になっている。2019/07/16

ステビア

17
面白かった。銀行、証券会社、総会屋、大蔵省、日銀、国会議員までを巻き込んだ「腐蝕」があったのですね。リバタリアニズムの正統性をより一層確信させる本でもありました。それはともあれ90年代の一連の金融疑獄に興味のある方はぜひ。2015/02/01

yokmin

15
規制にまもられている金融関連会社にたかる政治家や総会屋。摘発されたのはほんの氷山の一角にすぎないだろう。いまも形を巧妙に変えておこなわれているのではなかろうか。役人のサジ加減ひとつで如何ようにも解釈できるような規制は、透明性を持つものに変えられるべきだ。読売のこの種調査報道は評価されるべきだとおもう。年に一度くらいは、このような本を出版して欲しい。2014/02/27

sasha

10
1990年代後半に明らかになった一連の金融不祥事野村証券に端を発し、第一勧業銀行、大蔵省、日本銀行までに飛び火した。東京地検特捜部の捜査の過程で6人もの自殺者を出したことが批判され、際限なく拡大しそうだった事件は一応の終止符が打たれた。政治家・新井将敬をはじめ、自死を選んだ人たちは何を守ろうとしたんだろうか。この新井将敬が死ななければ、政界にも延焼し続けただろうと思うと残念。当時は一連の報道を見ていた筈なのに、私の記憶に刻まれたのはノーパンしゃぶしゃぶだったんだよな。2019/04/19

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