内容説明
二十七歳の誕生日に仕事をクビになるのは悲劇だ。僕は四年間勤めた片説家集団を離れ、途方に暮れていた。(片説は特定の依頼人を恢復させるための文章で小説とは異なる。)おまけに解雇された途端、読み書きの能力を失う始末だ。謎めく配川姉妹、地下に広がる異界、全身黒ずくめの男・バックベアード。古今東西の物語をめぐるアドヴェンチャーが、ここに始まる。三島由紀夫賞受賞作。
著者等紹介
佐藤友哉[サトウユウヤ]
1980(昭和55)年、北海道生れ。2001(平成13)年、『フリッカー式鏡公彦にうってつけの殺人』でメフィスト賞を受賞し、作家デビュー。’07年、『1000の小説とバックベアード』で三島由紀夫賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
116
2009/12/25 Amazonより届く。 2023/4/19〜4/21 三島由紀夫賞受賞作。なんと8年ぶりの佐藤作品。 たった一人のために書く片説家をクビになった主人公。クビになった瞬間に読み書きができなくなってしまう。そのドタバタを描きながら、小説とは何なのか、について鋭く問いかける作品。2023/04/21
とら
67
「小説」の物語。もっと厳密にいえば「小説」を『書く』側の物語なんだろうけれど、でも言葉がある限りどこかで『読む』側も関与してくるわけで、結局「小説」の物語となる。実際小説を書いてるわけじゃないから分からないんだけれど印象に残ったのは、「小説を書くような心で書いたら、それもう、小説なんですから」という言葉。これは揺るぎ無いものなんじゃないか。但し、小説を書くような心で書かないと駄目なのだ。片説家?だか知らないけど、言葉を使う職業を選んだからには楽しんでやらなきゃ♪これが至高で、最高。2012/08/22
hit4papa
61
小説への著者の情熱というか情念が迸る作品です。小説に対する”片説”なる概念を発生させたりして、混乱の土俵際まで追い詰められてしまいました。仕事を解雇され片説家の主人公は、そのショックからか読み書きの能力を失ってしまいます。小説を書きたい如何ともしがたい衝動に突き動かされる主人公。小説とは何だ!と煩悶するうちに、地下図書館に拉致・幽閉されてしまいます。全身黒ずめフルフェースのメットをかぶる怪人バックベアード登場で、物語は混とんとしてきます。言っている事はわかる、しかし、それを説明すのは困難な作品ですね。2019/04/30
おいしゃん
56
【三島由紀夫賞作品】片説家という職業、謎の姉妹、バックベアードという生物。それらが結局謎なまま、小説や言葉の本質を探るアドベンチャー。はじめは語り口と展開に新鮮さを感じたが、読み終わる頃にはぐったり疲れた。2017/03/13
がらは℃
37
小説の、小説による、小説のための小説という感じかなあ。とくかく、書いて、書いて、書く。それが小説を生み、小説となり、また次の小説を生む。うーん、『小説』と書きすぎたかなあ。2010/10/05




