内容説明
弟は三年前、本牧埠頭に沈んだ愛車の中で発見された。腹をえぐられて死んでいた。榊原俊孝はその死の謎を追う。知らぬ間に、中国古美術の商いに深入りしていた弟。彼から母が預かった唐三彩の水差しは、混迷を解く鍵となるのか―。様々な思惑を胸に秘め、大胆に動き始める兄。日中両国、幾人もの欲望が渦を巻く危険なゲームが、そして、始まる。志水辰夫の新境地たる漆黒の小説。
著者等紹介
志水辰夫[シミズタツオ]
1936(昭和11)年、高知県生れ。’81年、『飢えて狼』でデビュー。巧みなプロットと濃密な文体で、熱烈なファンを獲得する。’85年『背いて故郷』で日本推理作家協会賞を受賞。’91(平成3)年『行きずりの街』で、日本冒険小説協会大賞を受賞する。さらに、’94年に発表した短篇集『いまひとたびの』は、日本冒険小説協会大賞最優秀短篇賞、「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた
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感想・レビュー
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たーくん
7
再読→→→弟は三年前、本牧埠頭に沈んだ愛車の中で発見された。腹をえぐられて死んでいた。榊原俊孝はその死の謎を追う。知らぬ間に、中国古美術の商いに深入りしていた弟。彼から母が預かった唐三彩の水差しは、混迷を解く鍵となるのか―。様々な思惑を胸に秘め、大胆に動き始める兄。日中両国、幾人もの欲望が渦を巻く危険なゲームが、そして、始まる。志水辰夫の新境地たる漆黒の小説。2020/06/28
キーにゃん@絶対ガラケー主義宣言
0
2003年5月26日
ベータケ(betake)
0
マガジンハウス版の誤植がひどい。どれだけひどいかぜひ読んだ方がいい。ネタになります。2021/09/26
あーさー
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弟を殺された主人公が、真相を探るため日本と中国を舞台にタイトロープな日々を送る様子を昏い情熱を湛えた筆致でクールに綴っています。主人公の「過去」に関してもう少し詳しく描いて欲しかったという思いはありますが、しっかり引き込まれました。2021/09/08